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◇
「……」
暫しの沈黙。お互いにお互いのことをじっと見て動かない。
そんな状態が続いた後、一ノ瀬が口を開いた。
「久さんは、晃さんのこと、どう思ってるんですか?」
……え?何その質問。
私は暫く考えた後、「一ノ瀬さんは?」と、聞き返した。
一ノ瀬は一瞬驚いたような顔をしていたが、少し考えた後、私の方へ向き直った。
「面白い人、かな」
少しの間の後に、私はぽつりと返答した。
「……面白い人、ですか」
面白い人。その表現を、私はどう解釈すれば良いのか解らなかった。
おちょくってて面白い人、話が面白い人、言動が面白い人。こいつの言う【面白い】は、一体どれなんだろう。
私が考えていると、前方から声がした。
「久さんは?」
あ、そうだ。私が聞かれてたんだ。
私は考える。こういうとき、なんと答えるのが正解なんだろうか。
シスコンだと思われるのも嫌だし、無駄にギスギスしてるように思われるのも嫌だ。
私は考えて、考えて、考えた後、こう答えた。
「……あほな良い兄貴、かな」
そう言う私を見て、一ノ瀬はニヤリとほくそ笑んでいた。
「ただいま! 二人共、何話してたんだ?」
その時、ちょうど無駄に楽しそうな晃兄さんが帰ってきた。
晃兄さんの問に、一ノ瀬は「いや、ちょっとした談話ですよ」と軽くあしらい、晃兄さんと商談を始めた。
「隆、二千万使っていいって!」
晃兄さんは嬉しそうにそう言う。
うわ、以外。隆兄さんだったら、絶対断ると思ってたのに。
「そうですか、おめでとう御座います。では、ここの口座に後で振り込んでおいて下さい。」
一ノ瀬は口座の番号を指差しながらそういう。
「じゃあ、今日はこれで。さよなら、晃さん、久さん」
一ノ瀬はそう言い、この部屋を出ていった。だが、その瞬間に、一ノ瀬がにやりと笑っていたのを、私は、見逃さなかった。
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雪椿(プロフ) - もんぶらん翔。さん» ありがとうございます! 更新頑張ります (2017年3月19日 20時) (
レス) id: fae6e0767b (このIDを非表示/違反報告)
もんぶらん翔。 - 嘘の戦争大好きなので嬉しいです！更新頑張って下さい！ (2017年3月19日 1時) (レス) id: 015d801c6f (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます! 更新頑張ります (2017年3月10日 21時) (レス) id: fae6e0767b (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが気になります^_^ (2017年3月5日 21時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪椿 | 作成日時：2017年2月26日 21時
