藍沢先生病系物語

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白石side
藍沢先生が風邪を拗らせて、肺炎になった。最近、コロナウイルスが流行っていることもあり、緋山先生の1件があった、B8の病室へ。
冴島さんから、微熱があるって言ってたから、可能性は高い。
緋)隔離されている間さ、物凄く暇なのよね。怖いけどさ、気を紛らわすこともないからね。だったら治療していたかったーって思うよ。
白)まあね。楽しいことはないでしょ。って、藍沢先生。パソコン持っていってんじゃん。
緋)あー。私が持っていきなって言ったの。暇でしょ？暇潰しのために。
白)ならいいけど。
けど、心配。冴島さんが結構元気だとはいってた。でも、ナースコールを押さないだけで、咳が止まらないんじゃないか、等と考えてしまう。
緋)考えても、藍沢先生が元気になる訳じゃない。お父さんの連絡先さ、まだ知らないの？
白)え？わかんない。
緋)急患いないから行ってきな。
白)うん。
元気である、という期待を胸に廊下を歩いていると、検査部の人に出くわした。
白)あっ。
検査)白石先生。こちらが、検査結果です。
白)ありがとうございました。
検査)何かあったら、お願いします。
白)ありがとうございました。
紙をめくると、「陽性」とかかれた文字が見えた。
白)そっか。
1人呟いて藍沢先生の病室へ向かった。
コンコン
藍)ゴホッ。はい。
白)大丈夫？
藍)ああ。しばらくしゃべってなかったからな。
白)結果なんだけど。
藍)ん。
白)陽性だって。
藍)そうか。
あっけなく終わった告知。本人の方が辛いということはわかっているのに、自分の方が辛そうにしてしまう。10年以上一緒にいるからだろうか。
藍)大丈夫だ。お前たちがいるからな。
心配してくれてる、という言は悟った。
藍)気にしたって結果が変わることはない。結果がすべてなんだ。
白)そうね。またあとで来るね。
いたたまれなくなって、病室を出た。出る寸前、彼が一瞬すまなそうな顔をしていたのは、幻だろうか。
緋)陽性だってね。聞いた。
白)辛いのが私じゃないってことはわかっているのに。
緋)うん。
白)辛くなっちゃう。
緋)まあ、気にしないよりはいいでしょ。そこがあんたのいいところよ。
緋山先生はそう言って医局を出た。仲間のことで落ち込んで、仲間の言葉で立ち直る。凄く恵まれていると思う。

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