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藍沢side
医局にたどり着くころには体調は最悪だった。
腹痛と疲労感が酷く、まだ朝なのに早く帰って休みたいという医者としてあってはならない感情が渦巻く。
今日の日勤は俺と橘先生、藤川、緋山、灰谷、名取、雪村。
ヘリ担ではないけどそのまま橘先生と雪村と当直が控えている。
みんなのふたんを増やしたくないし、何があっても当直まではやり切りたい。
その一心で医局へ足を進めた。
橘「おはよう、藍沢!」
藍沢「おはようございます。早いですね?一人ですか?」
橘「あぁ、今日は少し早く目が覚めてな。みんな灰谷と名取は備品倉庫じゃないか?雪村はナースステーション、藤川と緋山はまだ来てない」
藍沢「そうですか」
橘「藍沢、大丈夫か?最近家に帰れてなかったみたいだし、脳外も忙しかったんだろ?」
藍沢「昨日は家に帰れましたし、大丈夫です」
橘「無理するなよ」
橘先生は俺の肩に手を置いて医局から出て行きそれと入れ替わりに藤川たちが出勤してきて、名取たちも戻ってきた。
藤川「おっはよー!」
藍沢「お前ら遅刻だぞ」
緋山「3分くらいいいじゃない!」
藍沢「フェローたちが備品の追加をしてくれたらしい」
藤川「悪いな……ありがと」
灰谷「い、いえ」
名取「たまたま早く来ただけですし」
緋山「私たちはそろそろ回診の時間かな?」
藤川「そうだな」
緋山「じゃあ、回診いってきまーす」
藤川「灰谷!お前が担当した患者でもあるし様子みにいくか?」
灰谷「はい」
藤川たちは出て行って医局には俺と名取しかいなくなった。
脳外に持っていかないといけない資料があるのに歩いていく自信がない。
あまり使いたくない手だが名取に持って行ってもらうか。
藍沢「名取、今空いてるか?」
名取「はい」
藍沢「この資料、脳外に持って行ってくれるか?」
名取「はい、いいですけど何でですか?」
名取は緋山に似て鋭い。
歩くのがしんどいからなんて絶対言えない。
藍沢「……早急にしないといけないことがあって……」
名取「わかりました」
名取はわかりましたって言って引き受けてくれたけど絶対疑われてる。
嘘をつくのは下手だとわかっているけどこんなに下手だったとは自分でも驚く。
藍沢「はぁー」
人知れず溜息をつくと引き出しから薬を取り出し、服用した。
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ミッキー(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました!!リクエストなのですが藍沢先生が酸欠と頭痛で処置中に倒れて入院する、入院してるときにも事務作業していて重度の貧血で階段から落ちてしまうみたいなのやってほしいです! (2020年6月18日 14時) (レス) id: 43ae38a228 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - sikaさん» 貴重なリクエストありがとうございます。わかりました。次に過呼吸の表現のある小説の場合はペーパーバッグで書いてみますね。 (2019年7月7日 16時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
sika - 毎回楽しませていただいています。過呼吸のお話ですが、対処法として酸素マスクが出てきていますが、実際酸素マスクは使いません。今後、過呼吸のお話がある際にはペーパーバッグを用いた対処はいかがでしょうか?楽しみにしています。 (2019年4月26日 0時) (レス) id: 65340f9980 (このIDを非表示/違反報告)
sika - 昼間は軽い咳、夜には熱が上がるのが1週間ほど続き、ついに限界がきてしまう話をお願いしたいです。精神的にも身体的にも限界がきて、しんどすぎてベッドから起きれなくなり、同期が看病する中で涙してしまうようなものでお願いします。 (2019年4月26日 0時) (レス) id: 65340f9980 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - たっちょんさん» わかりました。頑張って書きますが、難しい症例なので色々違うところがあるかもしれませんが暖かい目で見て頂けるとありがたいです。 (2019年1月11日 14時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明日香 | 作成日時:2018年12月22日 11時