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橘side
緋山たちに事情を話すと俺は藍沢についていていいということになった。
フェローたちも藍沢先生がいない分カバーできるようにがんばりますとやる気がみなぎっていて藍沢の人脈を尊敬する。
藍沢が病室に移ってきて3時間くらいが経つと眉間に皺を寄せた表情で藍沢が目を覚ました。
藍沢「たちばなせんせい?」
まったく呂律のまわっていない口調で藍沢は俺の名前を呼ぶ。
その話し方がいつもシャキシャキとしている藍沢とは正反対で新鮮な気持ちを覚える。
力が入らないのか体を起こそうとしても起き上れていない藍沢の背中を支えて起こしてやると
藍沢「うっ」
急に動いて気持ち悪くなったみたいで一瞬にして顔が真っ青になった。
藍沢「げほっごほっうげっゴホッゴホッゴホッ」
一通り吐くと藍沢の上半身が後ろに倒れて藍沢自身も自分でびっくりしていた。
橘「藍沢、大丈夫か?」
藍沢「力が入りらなくなって……目の前がぼやけて……」
橘「藍沢はきっと急性胃腸炎だ。何が理由かわかってるな?」
藍沢「最近忙しかったので……ストレス……」
橘「最近忙しいってお前よく言ってるけど最近じゃなくて常に忙しいだろ?」
藍沢「………」
橘「目の前がぼやけてきたってことは脱水を起こしてるかもしれない……汗もかいてるし、少し水分摂ろうな」
藍沢「はい」
体がきついからなのか、いつもでは絶対にありえないほど素直な藍沢。
いつもこんな感じだったらフェローたちも指導受けやすいだろうに……
藍沢「すみません……何から何まで…優輔くんのことで忙しいのに……」
橘「そんなに謝ることはない。いいか、確かに優輔も大事だがお前だって救命に必要不可欠なやつだ。二人を天秤にかけようなんて思わないし、藍沢の方がいつも俺より何倍も忙しいからな。気にするな」
藍沢「………」
我ながら柄でもないことを…でもいいこと言ったな…なんて思っていると藍沢はもう眠りについていた。
俺の話がつまらなかったのか?
さっきまでは熱のせいかトローンとした目で呂律のまわらない口調で話してる姿が可愛いなー、なんて思っていたけど前言撤回!
やっぱり藍沢は藍沢で自分の興味がない話には一切耳を傾けない。
そんなに俺の話がつまらなかったか?長々と話してるわけじゃないし最後まで聞いてくれよ……
なんか俺が藍沢にお願いしてるけど仮にも俺は藍沢の上司だからな!
END
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ミッキー(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました!!リクエストなのですが藍沢先生が酸欠と頭痛で処置中に倒れて入院する、入院してるときにも事務作業していて重度の貧血で階段から落ちてしまうみたいなのやってほしいです! (2020年6月18日 14時) (レス) id: 43ae38a228 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - sikaさん» 貴重なリクエストありがとうございます。わかりました。次に過呼吸の表現のある小説の場合はペーパーバッグで書いてみますね。 (2019年7月7日 16時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
sika - 毎回楽しませていただいています。過呼吸のお話ですが、対処法として酸素マスクが出てきていますが、実際酸素マスクは使いません。今後、過呼吸のお話がある際にはペーパーバッグを用いた対処はいかがでしょうか?楽しみにしています。 (2019年4月26日 0時) (レス) id: 65340f9980 (このIDを非表示/違反報告)
sika - 昼間は軽い咳、夜には熱が上がるのが1週間ほど続き、ついに限界がきてしまう話をお願いしたいです。精神的にも身体的にも限界がきて、しんどすぎてベッドから起きれなくなり、同期が看病する中で涙してしまうようなものでお願いします。 (2019年4月26日 0時) (レス) id: 65340f9980 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - たっちょんさん» わかりました。頑張って書きますが、難しい症例なので色々違うところがあるかもしれませんが暖かい目で見て頂けるとありがたいです。 (2019年1月11日 14時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明日香 | 作成日時:2018年12月22日 11時