ヘリポートでの思い出 (ページ5)

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ふと目が覚めた。毛布を被り、ゴロゴロする。
今日、白石と会って悪い気はしなかった。だが、俺が逃げたみたいで、怖くなった。ん？ポケットが重い。
ポケットに手を突っ込むと、缶コーヒーと手紙が入っていた。
缶コーヒーのプルタブを開け、飲む。いつもくれる味だ。懐かしい。
コーヒーをベッドサイドに起き、手紙を1枚だけ出し、読み始めた。
『藍沢先生へ
どこにいるんですか？
今、何をしているんですか？
カンファレンスで急に辞めたって聞きました。
4人で待ってます。
フェローも待ってます。
何でいなくなったか、理由を話してください。
1度でいいから。』

病院に、行きたくない。受付や外来で会うかも知れない。歩いてる途中で倒れて、運ばれるかも。
プルルルル
藍沢「はい。(橘だ。)はい。(体はどうだ？)大丈夫です。(白石にバレたぞ？電車はキツいんじゃないか？)分かってます。けど…………(当たって挫けろだ。俺も見ているから、手は出させない。)分かりました。」ﾌﾟﾂｯ
優輔「ただいま！」
帰ってきた。
藍沢「お帰り。」
優輔「ﾆｺｯただいま。」
藍沢「どうだ？学校は。」
優輔「楽しかったよ！みんなに優しいから。」
三井「良かったわね。」
その後、夕食を終え、少しテレビを見て寝た。

10日後

あの日から、楽しそうに帰ってくる優輔くん。たまに来る橘先生。橘先生からは息子が増えたみたい、と言われ、優輔くんからはお兄さんじゃなくてお父さんみたいと言われた。だが、悪い気はしなかった。
三井「頑張ってきなさいな。」
藍沢「はい。」
車に乗り、エンジンをかける。ため息しか出てこなかった。
そして、高速をから下道に出て、駐車場に止める。嫌な予感がする。遠くからサイレンの音がするのだ。
だから、車から出ず、中で待機する。
冴島「白車来ます。」
ピーポーピーポー
救急「VF回避しません。」
白石「ﾁﾗｯ心マしよう。」
またバレたかも知れない。お昼だし、食堂で潰すか。
担当医「あまり変化はないですね。」
CTとレントゲンの画像。前回のもある。点々と映っている白い影が、俺の体をぶち壊そうとしているのだ。