捕らえる瞳 ページ2
「本当の狙いは、あなたですから。」
それ、どういうことーー？
「僕にとっての一番の狙いは、
(人1)さんです。」
そういうと宗次郎は、
そっと手を離した。
と、思いきや、背後から
強く包み込んだ。
「宗次郎…っキツイ…。」
「離しませんよ。」
大変な状況なのに、
何処かで嬉しく思っちゃう、
そんな私がいる。
「(人1)、もう一度やらねぇか。女武士。」
！！！
そんなの…
決まってるじゃない…！！
「ごめんなさい、志士雄さん…。
私には、出来ません。
血を見たくないんです。」
「ナゼだ？？
剣の腕もいいのになぁ…、
残念だな…。」
「そうですか、私、これ以上女武士やってると、世の中狂ってくる気がするので。」
止めなきゃ…！
志士雄さんを、
止めなきゃ…、
皆を守れない…！！
「世の中狂う…？
どういう意味だ、それ？」
簡単な話。
「決まってるじゃない！！
あんたのおかげで、この国は、
滅ぶ危機なのよ！」
「ぐはははは！！！
ガキのくせして、生意気言うんだな…っ！
宗次郎…、監視してろ。」
「分かりました…。」
ーーー…。
「宗次郎…離して。」
「分かりました…とでも言うと思いますか？？」
「別に良いのよ。さっきだって自力で
紐とったんだから…！」
「無理ですよ。取れないように
縛ったので。」
ええー…！？
ど、どうしよう…！
確かに、さっきよりキツイ気がする…。
「(人1)さん…、今はこうするといいですよ。」
宗次郎は、私をそっと抱えて、
口の中に何かを入れた。
ぐたり…。
な、何か、ねむたい…。
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作者名：空色 華 | 作成日時：2015年5月6日 20時
