転生トリップしたけどやっぱり俺は一般人【約束のネバーランド】【男主】 (ページ38)

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37.『嘘』ページ38

Aside

「人身……売買？」

話を聞いた後、ドンの声が嫌に響く

「うん……今までの兄弟みんな悪い人に売られてたの…」

エマが言いにくそうにドンへ言う

「だーっはっはっはっ！！」

それを聞くとプッと吹き出して笑い始めるドン。

「何深刻に話し始めるかと思ったら…アハハ、ないないないない！！」

信じてくれてないな…まぁ、当然だけど…

「でも塀に門扉…出て行った兄弟達好きなら手紙の一つも来ないのも」

「またまたァ！で？オチは？一体コレ何の遊び！？」

ノーマンに笑いながら話すドン。

そしてドンの笑い声が消えた時図書室は静かになる。
そのタイミングで俺は言う。

『…本当だよ…』

何が言いにくかったのか、俺から出た声は力なかった。
それなのに静かだった図書室に声は響いた。

「は？いやいやいや……この遊びってどうやったら終わりになるんだ？」

『遊びじゃない…本当の事なんだよ…』

少し自嘲気味に言うとドンは少しずつ顔が強ばっていく。

「ちょっ……
え？待ってじゃあママは？」

「悪い人に私達を売ってる………」

「は！？バカ言え！！」

俯きながら答えるエマに叫ぶドン。

「ふざけんなよ…ありえねぇだろあんなに優しい……
取り消せエマ！！」

「ドン」

そんな時、ギルダが声を上げた。
か細いけど芯のある声。

「ハウスのこと、ママのこと大好きなエマがそんな嘘つく理由ない

それにね…変だと思ってた…」

そして、ギルダの声が震えて行くのを感じる。

「あの日…エマとノーマンが門へ行って」

門へ行って、と聞くとドンは、えっ、と零す。
そういえば、ドンは知らなかったな…

「いつもの二人ならたとえ規則を破ってもすぐに正直に謝って元通りなのに」

エマがハッとして何かに気付いた様な顔をする
ギルダも悩んでたんだよな…この事で…。

「謝るどころか二人には口止めされるし
ママは本当"罰ゲーム"みたいなお手伝いさせてくるし

エマすぐどこか行っちゃうしなんかすごく真剣だし
どんどん聞けなくなっちゃって……うっ…うぅ…」

ギルダの瞳から涙が溢れ出した。

「ごめんね…ごめんギルダ……」

エマに抱きついてうわぁぁんと泣くギルダ

それを見て、やり場のない罪悪感を感じる。
知ってたはず、気づけたはずだったのにな…。

((字数制限で切り悪いですが次行きます))