【wrwrd!】深く長く、愛を吐く (ページ33)

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Ⅱ ページ33

成人式後のクラス会。
素敵だけれど苦しかった振袖を脱いで、水色のパーティードレスに着替えた。
場所は地元のホテルのちょっとした宴会場。
彼の席は少し遠くて。でも何度か目が合ったような、そんな気がした。

「二次会行く人～？」
そんな友人の声に手を挙げれば、数メートル先にいた彼も同じように挙げたのがわかった。

二次会のカラオケ。
数人が近くのコンビニへ行き、お酒やお菓子をこれでもかと買い込んできた。

「ねぇ、お酒強いんでしょ？今日は飲んじゃお！」

そんな煽り文句に、

「そうだね」

なんて答えて、ウイスキーをストレートでグッと喉に流し込んだ。
美味しくない、喉が熱い。そして少し、ふわふわするかもしれない。
正常ではない脳で、話しかけるなら今かな、なんて考える。
カツカツとヒールを鳴らし、入り口近くに座っていた彼の元に近付いた。

「久しぶりだね、コネシマ」
「ん…、おお、久しぶり」
「元気だった？」
「まぁな、Aは？」
「ぼちぼちかな」
「なんやそれ」

ああ、なんだ。案外普通に話せるじゃん。
五年もブランクがあったなんて信じられないくらい。
もしかすると、お酒が私の気を大きくさせていたからかもしれないけれど。

だから、

「ねぇ」

急に目の前の彼のネクタイを持ち上げたのは、さっきのウイスキーのせい。

「私と別れて後悔してるでしょ？」

そう言い悪戯に口角を上げて見せたのだって、お酒のせい

「…せやなぁ、惜しいことしたわ」

そう、その笑顔。そういう優しいところ。
大好きだった。

本当に後悔してるのは私。