妻として。やぶひか ページ25
『薮くんの妻として!』
『いや妻じゃねぇし』
『え、違うの?』
『なんでお前が意外そうな顔をしてんだ』
嫌なわけじゃない。
こんなふうに言われるのは隣に居て当たり前だと定着している証拠だし、みんながそう思ってくれていると実感できる。
自他ともに認める心配性な自分さえも安心できる。
だから、嫌なわけじゃない。
『光、今日遅くなるから』
ただこんなふうに、薮に雑な扱いをされているような気がすることがある。
気のせい、なわけじゃない。
『大丈夫だよな、光は』
こんなこと言われたら、大丈夫、としか返事は出来ない。
俺に触れることも段々と減っていって、今となっては月に1回、多くて2回。
もしかしたら何年も付き合ったカップルなんてそれが普通なのかもしれない。
でも俺は、薮しか知らないから…
あんなに毎日うざったくてあしらっていたのは俺の方だったのに、こんなに寂しくなるなんて。
あの頃のしつこかった薮、戻ってこい。
そんなことを考えてしまうなんて俺も相当参ってる。
きっと今日も薮は俺が起きている時間には帰ってこない。
そう思うとすぅっと深い眠りに落ちていった。
がさ、ごそ、と何かが動く気配で目が覚める。
何かと言っても薮しかいないんだけど。
『やぶ…?おかえり』
『ひかる…』
いきなり覆い被さってきた薮の行動に驚いたけど、なによりも酒臭いことに嫌悪感。
『薮!酒臭い!風呂入ってこい!』
薮と距離をとると暗がりの中なのに悲しそうな薮の顔が見えた。
『ひかる、俺のこと嫌い?』
『は?何言ってんの?』
呂律が回りきらない薮がかなり酔っているのが分かる。
『ひかる、したい。今、したい』
『ちょっ、やぶ!』
足首を引っ張られて離したはずの距離がゼロになる。
酒臭いキスが嫌なはずなのに久しぶりすぎて、大した抵抗も出来ずにされるがままになる。
『んっ、は、やぶっまって、』
『やだ。今すぐ欲しい』
シャツを捲られてべろりと舐められれば喉がひゅっと音を立てた。
『、ん、や、ンん…』
『甘…』
胸を舐めてる間にカチャカチャと薮がベルトを外す音が聞こえて、器用に俺のスウェットも下着と一緒に抜かれた。
俺のも薮のも、きっともう準備万端。
ただ後ろだけは、前回から日が経ってる分慣らさないとどうにもならない。
それなのに薮は少し指で弄った後、ごめん、と呟いて無理やりナカに押し進んだ。
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年1月22日 23時