嗜好。ゆとやま ページ24
『ゆうとはコーヒー飲めるもんね』
『…別に俺も好んで飲むわけじゃないよ』
『甘いものも食べないし』
『…嫌いなわけじゃないよ』
『お酒も飲めるし』
『…付き合い程度にね』
『俺と居て、楽しい…?』
さっきからやまが可愛すぎる。
おそらくさっきまで読んでいた雑誌の影響なんだろうけど、意外にロマンチストなやまは俺との相性を気にしてる。俺も人のこと言えないくらいにはロマンチストだけど。
多趣味な俺と比べてこれといった趣味をもたないやまは常日頃から言いたいことがあるようなのは気付いていた。
まぁそれも可愛くて見て見ぬふりしていたわけだけど。
『やまだって、俺と居てめっちゃ楽しい!ってことそんなにないでしょ?』
『そんなことないよ!』
『知念とか圭人と1対1の方が盛り上がんない?』
『それは、』
『別にそれでいいんだよ』
付き合い始めた当初は俺も、知念や圭人と楽しそうにしているやまを見るとモヤモヤして嫉妬してた。
でもそれは誰もがぶち当たる壁のようで、時間が経つにつれてそんなやまのこともひっくるめて大切にしようと思えるようになった。
そんな簡単なものではなかったけれど。
でもそう思えるようになってからずっと、俺の心は穏やかだし、やまとの時間を大切に思える。
『何をしてても楽しいけど、やまとこうしてる時が一番幸せ』
隣に座るやまの肩をそっと抱いて、額にキスを落とす。
『っ、もう!やめろばーか!』
照れ屋なやまは耳を真っ赤にして俺にグーパンしてそそくさとキッチンへ逃げる。
俺だって恥ずかしいんだけど、なんて思いながら読みかけの雑誌に視線を戻した。
余裕ぶって見せたいのはやっぱり彼氏としてのプライド。
本当は、そんな余裕俺だってないのに。
『ゆうと、コーヒーと紅茶、どっちがいい?』
『緑茶』
『はぁ?今選択肢になかっただろ』
『緑茶の気分ー』
『ったくしょうがねぇなぁ』
『あとやまも欲しい』
ガチャガチャ、っと聞こえたやまの動揺した音に少し嬉しくなる。
わりとなんでも好きだけど。
欲しいって思うのはやまだけだ。
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年1月22日 23時