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愛惜。たかあり ページ23

『たかきっ!今日泊まっていい?』

高木と女の子の噂を聞いた。

俺だって高木のことをずっと好きだったのに何処の馬の骨とも分からないやつにとられてたまるか。

『ねぇ高木、男としたことある?』

『なに、急に』

『だって高木経験豊富そうだし、相手にも困らなそうだし』

『ははっ、そんなことないよ』

高木は優しいから、きっと俺の誘いは断らない。断れない。

『俺、高木に抱かれたいって思ってる。変?』

無駄な駆け引きなんてしない。
俺のことをなんとも思ってない高木が相手だからこそ、頼むんだ。

『男の俺なんて、抱けない?』

ちょっと眉を八の字に下げて上目遣いで高木を見れば、困り顔だけど断りきれない様子が丸分かり。

『有岡くん、ほんとにいいの?』

『俺女じゃないんだし、後腐れとかないだろ。気にすんなよ』

若干高木が引き気味に始まったこの行為も、進んでいくうちに段々と高木の瞳にも熱が帯びていく。

俺の身体に触れる手も、ちゃんとリードしてくれていて委ねられるから心地良い。

たった1回。少しそんなふうにも思っていたけれど、やべぇこれクセんなりそう。

『有岡くん、大丈夫?』

『ん、へいき、』

ナカでぐちょりと動く指が、普段何気なく触れている高木の指だと思うだけで、俺の熱は最高潮に上がる。

『ァ、たかき、きもちぃ…』

『良かった…』

心底安心したような高木の微笑みに、俺の僅かな良心がちくんと痛んだのは、見ないふり。

だって欲しいんだ。高木が。
誰にも渡したくない。

高木、やっぱり女の方が好き?

俺じゃだめ?

高木に抱かれながら、ずっとそんなことを考えていた。

手に入らないから、欲しくなる。

俺のモノじゃないから、奪いたくなる。

でも高木のこと、ちゃんと好きだよ。

嗜好。ゆとやま→←愛惜。やぶいの



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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年1月22日 23時

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