俺に構え。たかいの ページ2
『けーいと!』
『わっ!?ゆうとかぁ。びっくりした』
『チッ。いちゃついてんじゃねーよ』
『いのちゃん機嫌悪っ』
『雄也と喧嘩してるらしいよ』
『あぁなるほど』
『八つ当たりかよ』
聞こえてんだよばーか!八つ当たりで悪かったな!
そもそも高木が圭人ばっかり構うからいけないんだ!なんで圭人はあんな放っとけないキャラなんだ!可愛いじゃねぇかちくしょう!
どう見たって、俺の方が可愛い。
『放っておけないキャラではないけどね』
『黙れ』
そんなの言われなくても分かってんだよ。
高木が俺のことを大事にしてくれてるのは分かってる。ちょっとおバカで視野も狭くてモテる自覚もない。天然タラシでイケボで実は頼りになって。でも俺の恋人だ。
放っておかれてるわけじゃない。
ただの、嫉妬。そんなのも分かってる。
たぶんちょっと仕事が忙しくて疲れてるんだ俺。
どんなに忙しくても、疲れていても、高木に会えば元気になれるのに。
タイミングの悪い日が続いてしまった。ただそれだけ。
たぶん一言、『会いたい』って言えばすぐにでも来てくれる。
でもそれをしないのは高木だって暇じゃないから。
そして、言わなくても気付いてほしいから。
俺ってこんなワガママな奴だったんだなぁって、高木と付き合ってから気付くことが多すぎる。
嫉妬深くて独占欲の塊。毎日でも会いたくて、何もしなくていいから隣に居てほしい。
そんなこと、思ったことねぇよ。
構ってちゃんなんて、1番ダルいと思っていたのに。
自分で吹っ掛けた喧嘩なのに、こんなに後悔してる。
だからって、素直に謝ることが出来るはずがない。
『あぁもう。なんで泣いてんの』
山田に頭からタオルを被せられて、そのまま力尽きてソファに横になる。
『雄也、呼んでくるからね』
山田の言葉を拒否することすら出来ず、重くなった瞼を閉じた。
『いのおちゃん、熱あるんだよ。たぶん』
『マジで?』
『だから、傍に居てやって』
昨日くらいから避けられまくって俺もそれなりに心が折れた。だからといって俺まで伊野尾くんを避けてどうするんだ。
いつも思うけど、恋人失格、だ。
『伊野尾くん…』
ソファに突っ伏して寝ている伊野尾くんをそっと起こして、膝枕の姿勢になる。
真っ赤な顔は、熱がある証拠。気付かなかった俺、馬鹿だな。
伊野尾くんが起きたら、嫌がられても傍に居よう、そう決めた。
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年1月22日 23時