年上彼女3 (ページ38)

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年上彼女ページ38

美人係長は月に1回くらい、誰よりも早く出社する。
フロアで一番最初に出社した人は守衛室で鍵を受け取らなければいけない。

「おはようございます！」

『おはようございます。寒いですね』

「ねー！ランチはラーメンかなぁ」

『いいですね。新しく出来た店、行ってみてくださいよ』

「信号の向う側？じゃあ時間あったら行ってきますね！」

美人係長の笑顔には本当に癒される。こんなに裏表のない人っているんだろうか。

社内の見回り中も挨拶してくれる人は少なくて、美人係長は必ず元気に「お疲れ様です！」と挨拶してくれる。

そして今日も本当に美人。
寒くても仕事の邪魔になるから、と必ず髪型はアップ。パンツにパンプス。白いブラウスにトレンチコート。

入社したての頃から知っているけれど、歳を重ねるごとに綺麗になっていった。気付けばみんなから美人係長と言われるほどに。

「これ、皆さんで食べてください！ただのチョコレートですけど」

『ありがとうございます。いつもすみません』

守衛室に来る度に、なにかしら差し入れをくれる。
これも昔から変わらない。

入社したての頃はほぼ毎日一番最初に出社して、守衛が心配するほど遅く帰ることもあった。

そんなふうに守衛が見守ってきた美人係長の左手の薬指には最近指輪がはまっている。
これもまたイケメン係長と有名な彼から貰ったものらしい。噂ではただのプレゼントで結婚の予定はないんだとか。

ひらひらと手を振って颯爽と歩いていく美人係長は、以前にも増して幸せそうだ。