年上彼女3 (ページ34)

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年上彼女ページ34

深雪さんが出ていった後、俺も彼女と約束しているからと店を出る。光たちには悪いけど、今は深雪さんの方が大切。
だって俺、深雪さんと約束なんてしてないから。

『深雪さん、今どこ』

「薮くんから10メートルくらい離れたタクシーの中かな」

見回せば並んだタクシーの中に深雪さんを見付ける。俺が出てくるのを待ってたみたいだ。

『いきなり出てくからびっくりした』

「帰りたくなっちゃった。薮くんもでしょ」

深雪さんは楽しそうにしていたから、おそらく嘘だ。俺が女の先輩たちに囲まれて飽き飽きしていたのを見られていたんだと思う。光たちだって楽しそうには見えなかったから、きっとなんとか理由をつけて抜け出すはずだ。

『あんな飲み会毎週やってるの？大人は大変だな』

楽しい飲み会なら大歓迎だけど、俺は深雪さんが近くにいるのに話も出来なくて自分のペースで飲めない飲み会なんて嫌だ。

「あの子たちいつもは来ないよ。薮くんたちがいるから来ただけだと思う」

その下心が見え見えなのが余計に嫌だ。
それに女の先輩たちがいようがいまいが新人の俺たちが自分のペースで飲めるようになるのはいつなんだろう。

「家帰ったら髪洗ってあげるから、ね」

ついさっきまで他人のフリをしていたとは思えないほど、深雪さんは俺を甘やかしてくれる。会社でこんな声聞いたことない。

「1週間頑張った薮くんにご褒美」

そう言って、深雪さんは週末になるととことん俺を甘やかしてくれるようになった。こんなに幸せならいつまでもこの関係のままでもいいかなと思った。

光『くっそ～薮たち先に帰りやがって』

伊『深雪さんほんと薮に甘いんだから』

高『薮くん限界だったもんね。さ、2軒目行こ』

2軒目へ行って飲み直すのはもはや恒例。
薮と深雪さんは今頃よろしくやってんだろうな～と思うとなんだか安心できる。