年上彼女3 (ページ17)

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年上彼女ページ17

「さて、みなさん」

『ん？』

深雪さんが薮くんの隣で正座するから、なんとなく俺たちも背筋を伸ばす。

「この1週間、本当にすみませんでした」

そう言うと深雪さんは深く頭を下げる。突然のことに俺たちは反応出来なかった。

「月曜日から家出してました。最初は薮くんに腹が立って当てつけのつもりで家を出たけど、途中からこの距離感が心地好くなっちゃって...今までの事とこれからの事、ちょっとゆっくり考えてました」

山『なんで、それを今言うの？』

山田が深雪さんに聞いてくれた事は、きっとみんなが思っている。それは薮くんと2人で話せばいいんじゃないかって、俺も思う。

「私みんなにすごく甘えてたって気付いたの。薮くんに言えない事もみんなには言えたり、今日みたいに守ってもらったり、今までずっとだったんだよね」

深雪さんの言ってる事は、分かるような分からないような。みんなキョトンとしてる。
でも薮くんだけは理解しているみたいで、優しい瞳で深雪さんを見つめてる。

「これからは、まず薮くんにちゃんと言う。みんなのこと巻き込まないようにする。薮くんのこと、信じてるから」

最後は告白みたいになって、薮くんの目をしっかりと見るもんだから俺たちの方が照れた。
俺と光くんなんかはそっか、良かったなとか思ったんだろうけど、チビたちからはまさかの大ブーイング。

知『なにそれ！僕深雪ちゃんの泣いてるとこ見るの結構好きだったのに！もう僕の前では泣かないってこと？！』

中『俺やっと深雪さんの近くで仕事出来るようになったのに！話す機会も増えたのに！』

岡『俺離れたから寂しいのにもっと寂しくなっちゃうよ！』

山『俺も深雪さんのことでヤキモキしてる薮ちゃん見るの好きだったのにな～つまんねー』

コイツらは本当に真性のドSなんじゃないかと思う。特に知念と山田。悪趣味だ。

知念なんかここぞとばかりに深雪さんに甘えまくる。薮くんは大変だろうな、こんなに大きな子どもがいっぱいいて。

薮『俺は盛大な告白になるから今は言わない』

伊『なんだ薮！水臭いぞ！』

有『深雪さんは大変だね～今夜も眠れない』

薮『という事で帰るぞ。すいませーん、お会計お願いします』

店員『先に帰られた方から頂いてます』

「え、手越くん？」

光『まさか。課長でしょ』

高『まじか、課長ヤベェ』

中『課長ってほんとイケメン』