年上彼女2 (ページ10)

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年上彼女ページ10

山『え、光くんのストーカー？俺たぶん知ってるよ』

「え？！」

知『あ、あの子か』

薮『山田に知念、それ本当？』

山『たぶんね。間違ってたらすげー失礼だけど、間違いないと思うよ』

それはやっぱり会社の女子社員で、山田たち、要するに俺の後輩たちに俺のことを聞いてきたことがあるらしい。
結構根掘り葉掘りで、山田たちも怪しいと思ってプライバシーに関しては一切話さなかったらしいけど。

山『フロア違うし全然会わないから気にしてなかったけど』

知『ひか！なんでもっと早く相談してくれなかったの？！僕たちがその女に話しかけられたの結構前だよ？！』

「知念くん、光くんを責めないで。ずっと1人で耐えてたんだから」

知『深雪ちゃんもなんで僕たちに話してくれなかったの？そんなに頼りない部下？』

薮『知念！そういう言い方するな』

知念が俺のことを心配してくれているのは分かる。俺がもっと早く相談していれば良かったんだ。

薮『光、泣かなくていいから。お前はなんにも悪くない』

薮に頭撫でてもらうの久しぶりだな、なんて呑気なことを考えられるくらい、俺は安心した。

「防犯カメラ見せてもらったから、明日その子見に行ってくる。山田くん、ついてきて」

山『オーケー』

深雪さん、きっと知念の言葉がショックだったはずなのに、俺のために動いてくれてる。

知『僕も行く』

「ちゃんと仕事のない時間に来るんだよ」

知『分かってるよ』

知念の言葉が本心じゃないことは、深雪さんも俺たちもちゃんと分かってる。感情をコントロールできるあたり、やっぱり深雪さんは大人だ。

薮『お前たちは相手に掴みかかりそうだから、言わなかったんだよ。光のためにもなるべく穏便に済ませたい』

山『まぁ、その可能性は否めない』

薮『やめてやれ、相手は一応女の子だから』

「は？女だから掴みかからないわけじゃないからね」

薮『なんだかんだ深雪さんが一番最初に手を出すと思うんだよな』

薮はため息をつく。そんな深雪さんが好きなくせに。
仕事以外の深雪さんは本当は優しくなくて、頭に血が上りやすいしすぐムキになる。普段気をつけているけど、本当は口悪いしな。

「薮くんは光くんのことキズものにした相手のこと許すの？」

薮『許すなんて言ってない』

光『何度も言うが俺はキズものにはされてない』

そもそもキズものってなんだよ。俺は男だ。

「相手の出方次第。え、ていうか上司の薮くんが言うんだよ」

薮『ですよね』