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年上彼女 ページ49

圭人も新しい部署で元気にやっているらしい。
フロアも変わってしまったから今まで毎日顔を合わせていたから変な感じだ。
でもお昼は時々一緒に食べる。

岡『来週から新しい人が来るよ、どっかの会社からヘッドハンティングされて』

中『そうなんだ。いい人だといいね』

まさかその人のせいで薮くんと深雪さんが喧嘩することになるなんて、俺たちは考えてもいなかった。




『もしもし、電話なんて珍しいね』

「どうしよう、久しぶりに仕事行きたくないっ!」

『なに、どうしたの』

「大学の時、私が血迷って不倫した人覚えてる?」

『あぁ、全然カッコよくないのに自分がカッコイイと思い込んでる背ばっか高い勘違い男』

「そこはノーコメントだけど。その人、うちの会社に来るの。来週挨拶しなきゃいけないの。しかも薮くんも一緒に」

『あぁヘッドハンティング?あんたの会社も物好きね』

「向こうは私のこと忘れてるかもしれないけど、どうしよう、私会いたくない」

『会ったところでどうもならないって。なんか言われたら薮くんに相談したら?』

「なんて言うの。嫌われたらどうするの」

『心配しなくてもあんたが不倫してたことくらい知ってるわよ』

「そういう問題じゃない!」

『なに、未練でもあるの?』

「ない!殺したいくらい嫌い。あんなカスな男に惚れてた自分も殺したい」

『だろうね。ならいいじゃん』

「とりあえず、来週挨拶した感じでまた電話する...」

『はいはい。頑張って』

電話を切ったけど、深雪同様、私だって心配しかない。もう10年も前のことだけど、あの男は依存度が高かった。おそらく深雪が付き合ってきた誰よりも。

妻と子どもがいていつだってそっち優先だったくせに、深雪が男と仲良くしていたり連絡が遅かったりすると怒っていた。

喧嘩して別れる、となった時も大学で待ち伏せするような頭のおかしい男だった。

薮くんが許すはずはないけれど、綺麗になった深雪を知ったその男がなにもしないとも限らない。

深雪の無駄に情深いところと、意外と押しに弱い性格。絶対あの子はいらんことするはず。

薮くん、しっかりしなさいよ。あんただけが頼りなんだから。

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作成日時:2017年4月24日 8時

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