年上彼女2 (ページ46)

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年上彼女ページ46

家に帰って裕翔たちの話をしたら深雪さんは腹を抱えて笑ってた。

「裕翔と圭人も大人になったね～」

『出演料じゃ足りないぞ』

「私も2人が出てきたら癒しになるかも。出演料払わなきゃ」

深雪さんが夢の中だとしても他の男とそういうことをするなんて、考えただけで腸が煮えくり返る。笑い事じゃない。

『もう、どうしたら俺のモノになるの』

心の声がポロッと口から出た。深雪さんはキョトンとしてる。俺キモいな。

「ふふ、やきもち薮くん、かわいー」

裕翔と圭人の話だけで癒されたのか、鼻歌を歌うほど機嫌がいい深雪さんはコーヒーを煎れに行った。

毎日一緒にいる俺でさえ深雪さんを夢に見るんだ。会社の男が夢に見たっておかしくない。

会社のやつはほとんど俺と深雪さんが恋人だと知っていると思う。
なのになぜモテる！！なぜファンみたいに告白してくるやつが減らないんだよ！

でも深雪さんはまさかの告白に気付かなかったり、ちゃんと告白して伝わっても一刀両断。
そりゃ俺でさえあれだけ苦労したんだ。そこらの男が深雪さんに意識してもらおうなんて甘い考えだ。

そしてほかの男に告白された日の深雪さんは最上級に可愛い。
なんとも思っていない男にそういう目で見られるのが気持ち悪い、と俺にベタベタ甘えてくることもあるが。

ある程度仲が良い男に好意を持たれていると知った時、深雪さんはひどく落ち込む。
自分には好きになってもらう魅力なんてない、と深雪さんは好意を持たれることに慣れていなくて、かなり自虐的。

自分の中でうまく消化しきれず、俺に激しく抱かれることを求める。
そんな時の深雪さんの可愛いこと...思い出すだけで顔がにやける。

「薮くん顔きもい」

いつの間にか戻ってきたらしい深雪さんが本気で引いていた。

『モテる彼女をどうやって繋いでおこうか対策を練ってるの』

そう言うと深雪さんはまたキョトンとする。自覚無しでモテるやつは本当にタチが悪い。

「私30歳過ぎのおばさんだよ。モテてたら怖い」

笑いながら煙草に火をつける。煙草も吸うし酒も飲むし人前で平気でスッピンになる30歳だけど、俺の目には可愛くしか映らない。

裕翔たちが夢で見るのなんてきっと比べ物にならないくらい、俺と一緒にいる時の深雪さんは可愛い。

「心配しなくても、私みたいの好きになるの薮くんくらいだよ」

俺が言いすぎて変に他の男を意識されても困るから。深雪さんはこのままがいい。