年上彼女2 (ページ4)

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年上彼女ページ4

「よし！今メールしちゃお！」

『え？！嫌ですよ！』

何を言い出すんだこの人たちは。メールなんて出来ない。一週間仕事して疲れてる彼に私がいま甘えられるわけがない。

『大丈夫！なんかあったらうちら慰めてあげる！』

『なんで嫌なことがある前提なの』

「なんて送ろっかな～」

私を置いて完全に盛り上がっている。どうしよう嫌な予感しかしない。私、こんなに彼のこと信用してなかったんだ。

「ねぇ、まだ何もしてないのに泣かないでよ」

気付いたら私は泣いていた。そんな私の肩をそっと深雪さんが抱いてくれる。イケメンかよ。

「仕事、疲れるよね。こういう時にさ、彼に会いたい！って思うでしょ？」

一緒にメール送ろっか、と言って深雪さんが見せてくれたのは自分の携帯の画面。

「早く会いたいね」

私もゆっくりメールを打つ。こんなこと言ったことない。

「そうだね、ってだけの返事だったら、残念ながら諦めた方がいいかも。決定ではないけど」

彼がなんて返信してくるか、私には想像もつかない。情けないけど、怖い。

『そうじゃなかったら...？』

「その時はその時」

私もし男だったら絶対に深雪さんに恋してる。もし深雪さんが男でも。むしろ同姓でも、もう惚れそうです。

「送信！ポチッと」

みんなで固唾を飲んで携帯を見守る。深雪さんは煙草に火をつけた。

プルルルルっビクっ！

肩跳ねた、かっこ悪い。
そして鳴ったのは深雪さんの携帯。
もちろん画面は薮さんだった。

「もしもーし。え？あはは、薮くんウケる。私が酔うわけないじゃん。うん、帰ったら話すよ。え、迎え？薮くん飲んでないの？じゃあお願いしよっかな。うん、ありがとー。はーい」

深雪さん、幸せそう。底辺の私とは大違いだ。でもニコニコして私を見てくれている。なんでだろう。

「ふふ、大丈夫。既読になってるのに返事がないってことは、なんて返事しようか悩んでる証拠だよ」

いえ、それのなにが大丈夫なんでしょう。
そう思っていたら私の携帯が着信を知らせた。
電話が、どうして...

「早く出て」

『...もしもし』

深雪さんに促されるまま電話をとる。相手は間違いなく彼で、なんだか歯切れが悪い。
でも私は久しぶりの彼の声になんだか安心して、また泣きそうになる。

『うん、え？今から？でも...』

みんなを見るとニコニコで、オッケーとサインしてくれる。

『大丈夫、待ってる、ね』

電話を切ってから、ありがと、とみんなに伝えた。