年上彼女 ページ3
「薮くんが仕事好きかどうかって、そういえば考えたことないな」
『深雪さんは仕事好きなんですよね?』
「うん、好き。薮くんとどっちが好きか聞かれると迷うくらい好きかも」
『え、そこは薮さんでしょ』
もう深雪さん面白すぎる。というか笑えない。まぁ比べるものじゃないから仕方ないけど、どっちが好きか、か。
「で、彼氏くんは元気なの?」
『元気、だと思います。そんなに頻繁に連絡とらないので』
彼が元気か聞かれてはっきり答えられない私ってなんなんだろう。あまり考えたことなかったけど、改めて聞かれるといろいろと不安なことが頭をよぎる。
「その頻繁に連絡取らない、って言うのが理解出来ないんだよね。私ずっと一緒にいたいタイプだから、会わないとか連絡取らないとか、耐えられない」
『深雪さん嘘でしょ?!ほんとに仕事中とのギャップあり過ぎて萌えるんですけど!』
「なぜ萌える」
この深雪さんのギャップに薮さんはやられてるのかな。深雪さんは時々ものすごく男らしくて、時々とっても乙女。
私の魅力ってなんだろう。あ、ダメだ不安になってきた。仕事辞めたい。
「ね、仕事が嫌なんじゃなくて、実は彼氏くんと上手くいってないだけじゃないの?」
『でもケンカもしてないですし、特に変わったことはないんですけど...』
「変わったことがないから、上手くいかないんじゃない?先にプライベート充実させなきゃ仕事なんて上手くいくわけないよ。女なんて特に」
そんな事言われてもどうしたら。特に不満もないのに彼になにか言うなんて私には出来ない。
「そもそも仕事辞めたいと思ってることを彼氏くんには相談したの?」
『彼にはなにも...頑張って働いてる彼に辞めたいなんて甘えるのは私には出来ないというか...』
「それって何のための恋人なの?私嫌なことあったらすぐ薮くんに言っちゃうよ」
薮さんと彼とじゃいろんなことが違いすぎて比べ物にならないのだけど。
「薮くんには頼ってくれないって言われることもあるけどね。仕事の相談は上司や同僚に出来るし、薮くんのことは友達にも相談できる。でも甘えるのは薮くんにしか出来ないし、しちゃいけないと思ってる」
彼が年下だから、甘えないようにしていたのかな。そんなつもりなくても、甘えるとか考えたことないかもしれない。
「男の人って甘えられるの好きだと思うよ。大切な彼女なら特に。甘えることを許してもらえないなら別れちゃえば」
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作成日時:2017年4月24日 8時