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『あ、先生…』
『一週間ぶりか』
『え？』
いつもの屋上で、ぷかぷかと煙を吐き出す姿は悔しいくらい様になっている。
『だから、禁煙ですってば』
『俺がコレを吸わないのはいつだと思う？』
『知りませんよ』
潔く携帯灰皿に煙草を捨てたと思ったんだ。
『こういう時』
『っん、』
こうして屋上でキスをするのは、もう何回目だろう。
どうして俺は、拒否しないんだろう。
『は、ぁっ、ん…』
一瞬離れては、また重なって。
煙草の匂いなんて、嫌なのに。嫌いなのに。
苦い舌が歯をなぞって、上顎を擦って、俺の舌を連れていく。
不味い。
でも、離れられない。
先生の大きな手が俺の頭を押さえているからじゃない。
びりびりと舌から足の指先まで持っていかれそうで、離れられない。
離れたくない。
先生、なんで俺にこんなことするの？
その一言が、どうしても聞けない。
『ぁっ、はぁ…』
唇が離れても、ぽすりと先生の胸に抱きとめられて、しばらく余韻に浸る。
さわさわと腰のあたりにある先生の手が擽ったくて身を捩る。
『ん、せんせ、その手、やだ…』
『…感じる？』
『かっ？！はぁ？！』
『おい暴れんな。浸らせろ』
俺の腕を無理やり自分の腰に回させて、首元に先生の息がかかる。それも擽ったい。
『んっもぅ…だから、』
『その声、』
『え？』
『お前の声、クるんだよ』
『は？』
『なんか喋れ』
『なんかって…』
『歌ってもいいぞ』
『それは嫌です』
『それは残念』
ほら。こんなに先生は優しく話してくれる。
しばらくそのままの態勢でくだらない話をしていたら、なんだか腰あたりにスマホの振動を感じた。
『先生の？』
『あぁ…はぁ…悪い、出る』
『どうぞ』
俺を胸に抱きしめたまま誰かと会話を始める先生。
『なんだこんな時間に。あ？知らねぇよ。こっちは取り込み中だ。うるせぇ、切るぞ』
眉間に皺を寄せたまま話す口調は、きっと親しい誰かなんだろう。
もう一度溜め息をついて、今度は先生が誰かへ電話を掛けるらしい。
『おい、俺に電話が来たぞ。お前どこに…病院？…あぁ…行くよ、待ってろ』
電話を切ってもう一度深い溜め息。
『そんなに溜め息つくと幸せ逃げちゃいますよ』
『今から逃がそうとしてるところ』
じっと目を見つめられたと思ったらまた重なる唇。
『またな』
先生、次はいつ？
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しょぼん(プロフ) - 更新待ってました！これからも頑張ってくださいね！！ (2021年8月15日 10時) (
レス) id: 80f9088859 (このIDを非表示/違反報告)
いわし - これからの展開が気になります！！ぜひ、更新してほしいです！！ (2019年3月1日 7時) (レス) id: 868e16e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - やぶあり、やっぱり大好きです！これからも頑張ってください！続き楽しみにしてます！ (2018年11月2日 6時) (レス) id: 1ac15466af (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 次のお話はどんな感じ何でしょう！とても楽しみです！ (2018年10月4日 18時) (レス) id: 1ac15466af (このIDを非表示/違反報告)
ney-ko(プロフ) - 凛さん» 凛さん、いつもありがとうございます！ありさんをひたすら愛でる薮さん、お楽しみください＼(^o^)／ (2018年10月1日 19時) (レス) id: 279b6160ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ney-ko | 作成日時：2018年9月24日 5時
