水色 ページ40
やまに言われたとおり、薮くんの撮影からずっと小型カメラを回していた。
薮くんがモデルの女を突き飛ばしたあたりで思わず漏れた俺の笑い声も入っただろう。
何回か薮くんとレンズ越しに目が合ったのは俺の気のせいじゃないはず。
『そこで止まって。ジャケットと靴だけ脱いでこい』
マネは薮くんの心の中が読めるんだろうか。
驚いた顔ひとつせず言われた通りにカメラの前に立つ。
薮くんに腕を引かれてただ立っているだけ。
それだけなのにさっきの女よりも随分と絵になる気がした。
薮くんの大きな手に髪留めを取られてふわりと綺麗な黒髪が背中に流れる。
その髪を丁寧に梳いていく薮くんは、とても優しい顔をしている。
マネは背中を向けているから見えないけれど、薮くんの指が1つずつボタンを外して、そのままシャツを肩から外した。
パンツもストッキングも脱がして、マネはついに下着姿となった。
『脱がしていいか?』
今聞くの?それってもっと前に聞くべきことだよね?脱がすもなにもあと1枚ってとこまできてるよ。遅いよね?
あぁでもね薮くん、聞くタイミングと聞き方、絶妙過ぎ。やらしすぎ。俺でも勃つわ。
なんて考えていたらやまが席を立ってカメラに映り込む。あ、ずるい。
やまはぷつりとホックを外しただけでマネの右肩に1つキスを落とした。それだけでサマになるんだから、本当に格好良い。
次は大ちゃんが左の肩から紐を外し、左の肩にかぷりと噛み付いた。なにあのイケメン。
右の肩紐をちぃが外し、ちぃは指を1本口に含んだ。めっちゃ可愛い。
背中が露わになったマネは、さっきまでの9人のモデルなんかとは比べ物にならないほど、綺麗だ。
俺ではない本物のカメラマンが、ごくりと唾を飲んだのが分かった。
俺ももう、カメラ回さなくていいかな。
唖然としている圭人の手を引いて薮くんたちの元へ歩く。
それに気付いた光くんたちも仕方ないかという感じで集まった。
『やってくれたな、やぶ』
『よっぽど楽しいだろ、こっちのが』
『いいの?マネ』
「慣れてますから」
『さて、喘いでもらおうか』
それからのみんなは容赦なくて。まぁ俺たちもノリノリだったけど。
そういうノリに疎そうな光くんといのちゃんも人形のようにされるがままのマネの身体を堪能していた。
まぁもちろんボツになったわけだけど。
そのテープはちゃんと頂いて大切に保管したのは言うまでもない。
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年5月29日 1時