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黄緑色 ページ37

俺の前に現れた時には普段と何ら変わらない姿だった。


んっとに、可愛くない。


「薮さん、すみません、今日は…」


『そんなん許されると思ってんの?』


今まで俺のどんな要求も飲んできたこいつが、初めて俺の誘いを断った。


それはほとんど意地のようなもので。


『強制に決まってんだろ。俺ん家』


「…はい」


従順な犬だろうが。お前は。


『誰に、どんだけ、なにされた』


まずは不愉快な臭いを消すために服も脱がさずシャワーに濡らす。お湯なのは俺なりの優しさだ。


正しい答えなんか求めちゃいない。俺が求めるのは、反応だけだ。


「ごめんなさい、ごめんなさい…」


『チッ、脱げ』


本来ならすみませんのところをちゃんとごめんなさいに変えるあたり、恋人ごっこをしっかり理解してる。


何度も見たはずの白い肌には数え切れないほどの噛み跡とキスマーク。


こんな子どもっぽいことをするのはおそらくチビたちの誰か。


俺の耳に入ってこないあたり薬もチビたちの仕業だろう。ほんとにガキだ。


「いっ、た…」


前髪を掴んで俯いていた顔を持ち上げる。


『お前は誰のものだ?』


「こ、たの…もの、です…」


なぁ、その熱っぽい視線は誰に教わった?


その瞳で、何人の男を見上げてきた?


『じゃあ、どうすればいいか分かるよな』


不安と期待で揺れるその瞳の奥には、何を秘めている?


「宏太が、いい…宏太でいっぱいにして?」


なんでお前は、正解しか言わないんだ。


本当はどうされたい、なんて絶対に知ることは出来ない真実が、時々苦しい。


これが全てこいつの仕事だとして。


間違いなんて一つもない。


俺たちがこいつに夢中になればなるほど、スキャンダルは絶対に起きない。


『気持ちいいか?』


「っん、きもちぃ、こうた…もっと、」


『そうやってさっきもせがんだの?』


「ちがっ!こ、ただけ、こうたじゃなきゃ、やっ…」


ほとんど力の入らなくなった腕が首に回って引き寄せられる。


普段とは違う体力の消耗具合から相当な無理をさせられたのだと分かってしまう。それほどこいつと身体を重ねただろうか。


恋人関係を望んだのは俺。


たまには嫉妬ごっこもいいな。

黄色→←2



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 薮宏太、高木雄也 , 山田涼介、知念侑李   
作品ジャンル:その他
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年5月29日 1時

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