検索窓
今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:81,683 hit

赤色 ページ30

『まだ終わんねぇの?』


「すみません。キリがいいところまでやりたいので」


誘ったのは俺だから黙って待っていればいいのだけど、こうして話しかけるのは俺が構ってもらいたいから。


深夜まで続く撮影にも欠伸一つせず付き合うマネ。


開いたパソコンの画面は見ているだけで頭が痛くなりそうだ。


でも一瞬見えてしまったスマホの画面はなぜか薮ちゃんとのトーク画面。俺は業務連絡しかしないからきっと薮ちゃんもそうだと思った。


次に鳴ったのは大ちゃんからの着信。


一つさ小さく溜め息をついたマネは、失礼します、と言って部屋を出ていった。


馬鹿みたいだ、と思った。なにが目的で俺はマネと大ちゃんの電話の盗み聞きなんかしているんだろう。


「…今日はごめんなさい。…うん、朝は行くよ。…おやすみなさい、大貴」


いやいやちょっと待て。いま大貴って言ったよな。大貴って大ちゃんのこと?そうだよな。なに、なんで。呼び捨て?いつの間に。嘘だ。みんなの前では有岡さん、て呼んでるぞ。


逆にリアルだ。


「…すみませんでした。今日は終わりにします。帰りますか?」


『あぁ、帰る』


なにごとも無かったかのように荷物をまとめるマネは、この一瞬で疲れたように見えなくもない。


『今日は、泊まれんの?』


「はい、大丈夫ですよ」


それは、俺が誘うと分かっていたから大ちゃんを断ったの?本当は大ちゃんと過ごす予定だったの?


『大ちゃん、は…?』


「有岡さんですか?どうしました?」


『いや、なんでも』


なにを考えてなにを言おうとしてんだ、俺は。


もしここで俺がこいつを帰したら、こいつは大ちゃんの所へ行くんだろうか。


今でなくとも、さっきの電話じゃおそらく朝は大ちゃんを起こしに行く。


なんとなくそれが、気に入らなかった。


「や、まださ…」


『ん、なに?』


「…なにか、ありました?っや、」


『なにかって、なに』


理由も分からない苛立ちは、何回マネにぶつけても晴れない。理由は分からなくても原因は間違いなくマネだから当然だけど。


しつこいほどに離さない俺をさすがに不審に思っているらしいマネは、だんだんと否定の言葉が増えてきた。


体力勝負、と言っていたけれど。


抱き潰すつもりで始めたのに、疲れて眠ってしまったのは俺の方。


綺麗さっぱり姿を消しているマネは、大ちゃんのところへ行ったんだろう。

黄色→←弟たちの見解



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
160人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , 薮宏太、高木雄也 , 山田涼介、知念侑李   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ney-ko | 作成日時:2018年5月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。