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『伊野尾くんは知ってたの?』
『はぁ?なにが』
『薮くんと、マネージャーの…』
『の?なに』
『関係っていうか、』
たかきがまたなんか言い出した。そんなの俺に聞かずにやぶに聞けよ。それかマネージャー。
でもマネージャーは、たかきにはなにも言わない気がした。
『関係ってなんだよ。まさか恋人だとか言わないだろーな』
『そのまさかだったら?』
相変わらずぶっ飛んでんな、たかきの頭。
薮とマネージャーが恋人?そんな馬鹿なことあるわけないだろ。
だってあいつは事務所に雇われているマネージャー。
俺たちを1番に考えて、俺たちが1番に信用しなければならない相手。
『そんな馬鹿なことあるかよ。頭冷やせ』
『いやでもさ!あんな甘ったるい雰囲気なる?!』
確かに、たかきの言う通りやぶとマネージャーはやたら甘ったるい空気で寄り添っていることがある。
でも俺からしたらひかるだって大ちゃんだってゆうとだってやまだだって、そうだ。
そう考えるとたかきの馬鹿な考えもあながち外れてはないか。
恋人のような関係でありたいと、やぶたちが望んでいるからだ。
『お前も頼んでみれば?なってくれるかもよ、恋人』
『なにそれ、どういう…』
たかきのくだらない意地は、ノックとともに俺の前から消え去った。
「高木さん、次の現場まで送ります。伊野尾さんはマネージャーさんので行ってください」
『あいよ。お疲れ〜』
『お疲れ、伊野尾くん』
たかきからマネの匂いがプンプンすることもあるし、もうやることやってんならどうなったって同じだろ。
それを隠しもしないやぶと大ちゃんはもうとっくに割り切った関係を楽しんでいるのだろうし。
たかきだって楽しめばいいのに。
俺はもうちょっとみんなで遊びたい。
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年5月29日 1時