ピンク色 ページ13
『ピンク色、やらしーねぇ』
マネージャーの胸の突起をつんつんと突いているのはさっきまでカチリと留められていたタイピン。
『ねぇ』
「は、い…」
ずっと胸ばかりを弄られて、それだけで膝が立たなくなってきているマネージャーの顎を掴んで壁に抑えつける。
『宏太と、雄也と、涼介、誰が1番良かった？』
宏太が最初に手を出すだろうとは思っていたけれど、涼介に至っちゃ裏切りもいいところだ。
『宏太と雄也は勢いなんだろうけどさ。涼介が簡単に手を出すとは思えないんだよね』
あぁ見えて涼介は慎重な男だ。おふざけで女を自宅に泊めるとは思えない。
『涼介を誘ったみたいにさ、僕のことも誘ってみてよ』
もしかしたらその気に、なるかもしれないから。
「ここでは、無理です」
涙目のくせに強気に僕を睨むその顔は、加虐心を煽るだけ。
自分のこんな部分、僕だって知らなかった。
『今さ、順調にいってた撮影止められて、イライラしてんの。分かる？』
カメラマンの都合がどうとかで時間の空きが出た。
涼介とマネージャーが一緒に現れたことで朝から虫の居所が悪かった僕の機嫌は、悪さのピークを越えた。
「それは分かります。ですが、今は…」
『うるさい』
他のやつの言うことはなんでも聞いたくせに。
自分にだけ牙を向けられているような気がして、生意気な口を塞いだ。
「まっ、ちねんさ…」
『まだ抵抗すんの？こんなドロドロのくせに』
ムカつく。きっと涼介はこのマネージャー以外に縋るものがなかったに違いない。
仕事で失敗して落ち込むといっつも家に持ち帰るんだから。
『涼介とさ、何回したの？』
「ゃっ、まって…ンあ、」
ここが楽屋のせいなのか声を抑えて僕の肩に手を置くことさえもしない。
なにこいつ、僕のこと嫌いなの。
『でも、意外に可愛い顔するね』
普段の無表情からは想像つかない程に顔を歪めて喘ぐマネージャーを、下から見上げる。
「ちねんさ…だめっ、」
『何がダメなの。こんな気持ちいいのに』
こんな風に拒否されることが分かっていてそれでもこの時を選んだ僕は、きっと悪趣味。
いつ誰が来るかも分からない状況を楽しんでいるのは僕だけ。
『これが良かったら、次はゆっくり抱いてあげる』
早く終わらせたくて必死なんだろう。
僕の上で腰を振るマネージャーを、また可愛がってやろうと思った。
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作者名：ney-ko | 作成日時：2018年5月29日 1時
