9色のtiepin (ページ12)

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『風呂入る』

「はい」

『お前もだよ』

「はい」

『え、いいの？』

「はい」

顔色一つ変えずに服を脱ぐこいつは、やっぱり頭がおかしいとしか思えない。

『これ…』

解かれたネクタイの上に置かれたタイピンには、赤色の石が埋め込まれていた。

「山田さんの色、ですね」

一つに結われていた髪をかき上げたマネに、今まで感じたことのない色気が見えて。

細い腕を引っ張って風呂場へ引き摺り込む。

熱いシャワーの下で何度も何度もキスをして、すっかり勃ち上がった俺のモノにマネは自ら手を伸ばした。

裸の女が自分の脚の間に跪いて奉仕をする

別に初めてではないその状況に、有り得ないくらい興奮した。

最後の一滴までしっかりと飲み干したマネの頭を撫でてやれば、本当に嬉しそうに笑うから。

わざわざ張った湯舟に後ろから抱きしめる形で2人で入る。

『色白いな』

「インドアなので」

俺も色は白い方だけど、マネの身体は俺とは比べ物にならないくらい白い。

年齢を感じさせないその艶やかな肌に手を這わせる。

時々ぴくりと反応するのはこいつの敏感な部分なんだろうか。

嫉妬するほどに白い肩口に歯を立てる。

「っ、」

何度も、噛んだり舐めたり。無臭なこいつはきっと香水なんてものも付けていない。

真っ更な、綺麗な身体。

『出る』

「はい」

身体を拭くのが億劫でそのままバスローブを着ようとしたら怒られた。

「風邪引いたらどうするんですか。ちゃんと髪も乾かしてください」

タオルでがしがしやってくるからドライヤーも全て任せる。

抵抗するのも、めんどくせぇ。

今からナニをするか分からないわけでもないだろうに、こんな時でもマネはマネージャーだ。

『もういいだろ。早くやらせろ』

放っておくと肌の手入れまでされそうで、担いだ身体を早々にベッドへ放り投げる。

強制的に化粧を落とさせたその顔は肌質こそ違えどまるで少女のように幼い。

普段どんだけ厚化粧してんだ。

「山田さん…」

『なに』

「明日、遅くても7時起きですからね」

『おまっ、ムードねぇな！』

「寝坊されたら困りますから」

『あー分かったよ。くそ、今のでちょっと萎えたわ』

「それは良かったです」

『お前…マジで覚悟しろよ』

抱き潰す、という俺の意気込みはマネの言葉によって見事打ち砕かれた。