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てゆーか薮のやつ、涼介のこといつの間に呼び捨てなんだよ。
俺も、涼介とか侑李みたいに素直に甘えられたらもっと変わるのかな。
でも俺はそんなこと出来ない。
薮はやっぱり素直で可愛いやつの方が好きだよな。
そんなことばかり考えていたら目の前にいる薮の顔も見れなくなる。
光『…っ、早く行こうぜ』
俺は、可愛くないし素直じゃないし、臆病者で小心者だ。
薮に素直に好きだ、って言えないくせに
薮が他のやつの話するのが許せないなんて
この前圭人が話したのそのままで、少し笑える。
薮『光、待って』
薮に腕を掴まれるけど、今は振り返れない。
自分がどれだけ情けない顔をしているか分かっているから。
薮『そんな急ぐ必要ないだろ』
光『えっ、薮、どこ行くの？！』
掴まれたまま引っ張られて、薮は講義室とは逆の方へ歩いていく。
今度は薮が前を向いて、俺から薮の顔は見えない。
光『待って、薮、おい！』
何も言わない薮に不安が募るけど。
掴まれた腕は掌に繋ぎ直されていて、少し汗ばんだそれが薮の緊張を伝えてくれた。
薮も緊張とかするんだ。
なんだか嬉しくなって繋がれた手をそっと握ってみる。
光『うっわ！何、イキナリ止まんなよ…』
勢い余って薮の背中に衝突した俺は、 顔を見なきゃよかったと本気で思った。
薮『光、そういうの無意識なの…？』
薮の顔は真っ赤で、困ったように眉を八の字に下げて、切なそうな瞳。
その顔を見た瞬間、ずきん、と胸が痛んだ。
なに、その、顔…
さっきまで弟への嫉妬でもやもやしていた俺の下らない気持ちは一瞬で消えて。
俺の全てが薮に持っていかれたような、そんな感覚。
一度捉えられた瞳は逸らすことを許されない。
つられて自分が真っ赤になるのが分かる。
たぶん薮より、俺の方がずっと全身が真っ赤だ。
光『や、ぶ…』
思っていたよりもか細い声が出て、自分にびっくりする。
でもそれが何かの合図だったように、そっからの俺の呼吸は全て薮に飲み込まれた。
この前の俺の部屋で初めてしたキスとは違う、
薮の舌が俺の舌を舐めて、上顎の筋とか、舌の裏とか、歯の付け根とか、
全部全部、丁寧に舐めてなぞって
口ん中が薮の唾液でいっぱいになる。
同じくらい、薮の口ん中も俺の唾液でいっぱいなのかな。
俺はどうしても上手く飲み込めなくて、口の端から涎が垂れるのが分かる。
その間も薮の喉はこくりと上下して、薮は、飲めてるんだと気付いた。
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優子 - 読みました。光君大丈夫かな？これからどうなるか？気になります。 (2017年8月23日 23時) (
レス) id: baaab4d872 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。これからどうなるか？気になります。 (2017年8月21日 17時) (レス) id: baaab4d872 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年8月21日 4時
