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どれくらいそうしていたかは分からない。
薮の唇が俺のに触れて、1回離れて、もう1度触れて。
俺はどうしたらいいか分からなくてきつく目を閉じていた。
俺を囲うようにして置かれた薮の腕が俺の身体に触れて、ビクッと過剰に反応してしまった。
その拍子に薮の顔が俺から離れる。
光『っあ…』
薮『なに？足りない？』
光『ちがっ、！』
確かに俺から離れた薮の唇を名残惜しく思ったのは事実。
でもそれ以上に心臓がついていかなくて。
もう1度俺に近付く薮の顔を手で押し返す。
光『や、ぶ、待って、むりっ…』
俺の必死の訴えに、笑う薮。悔しくて、薮を睨む。
薮『光、可愛い』
光『かわっ…はぁ？！』
薮『顔真っ赤。キスも慣れてない。俺が触ると…』
不意に俺の顔まで伸ばされた薮の手に、思わず身体がびくんとなる。
薮『ね？可愛いよ、光』
光『うっせ！男なのにっ可愛いわけねぇだろ！』
優しく抱き締められて、俺はすっぽりと薮の腕の中に収まる。
俺より少し背が高いだけで、手とか足の大きさとか、腕の太さとか、ほとんど一緒なのに。
こんなに包まれてる感じが心地良いなんて。
光『も、寝る…』
薮『一緒に寝る？』
光『寝るわけねーだろ！さっさと寝ろ！』
薮『可愛いなぁ、光は。おやすみ』
光『…おやすみ』
もう、嫌だ。色んなことがありすぎて、頭パンクしそう。
薮が隣に寝ているのも初めてじゃないのに、意識しまくって、薮の寝息とか、寝相で動く度にドキドキして、結局朝まで眠れなかった。
「薮くんは外堀から埋めてくタイプなのかな」
父『光、めちゃくちゃびっくりしてたもんなぁ』
まさか急にお付き合いなんて話が出るとは俺たちも思っていなくて。
別に若い頃なんて好き勝手恋愛して傷付いて傷付けられて。それでいいと思う。
俺は18歳で深雪さんと出会って、運命の人だと思い込んでここまで突っ走ってきたことになんの後悔もしていないけれど。
よく考えたら光も雄也もその頃の俺を追い越してるんだもんなぁ。
「ひかるくん恥ずかしがり屋だから。心配」
父『そゆとこ深雪さんにそっくりなんだよなぁ』
付き合い始めの深雪さんは、元気で明るい性格はずっと変わらないのに、恋人同士のそういうあま〜い雰囲気に滅法弱くて。
急に借りてきた猫のように大人しくなって、顔は真っ赤で、近付くと後退りするような究極の恥ずかしがり屋。
絶対に光もそういうタイプ。
薮くんがどれだけ頑張れるか、楽しみだなぁ。
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優子 - 読みました。光君大丈夫かな？これからどうなるか？気になります。 (2017年8月23日 23時) (
レス) id: baaab4d872 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。これからどうなるか？気になります。 (2017年8月21日 17時) (レス) id: baaab4d872 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年8月21日 4時
