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圭『ねぇお父さん』
薮『どうした？圭人』
圭『お父さんはどうしてお母さんを好きになったの？』
ぶっ！！
圭『え、汚い…』
薮『いや、ごめん、うん、え？』
圭人からの思いがけない質問に思わず飲んでいたお茶を吹き出す。
冷めた目で見る圭人は、それでも俺の前から動くことはなかった。
圭『この前お母さんにも聞いたけど、ちゃんと聞けなくて…』
この前の話、はちゃんと深雪さんから聞いていた。
深雪さんは圭人に好きな子が出来たんだって興奮しすぎて何言ってるかよく分からなかったけど。
圭人が恋愛に興味をもちだしたってことは、さすがの俺でも分かった。
薮『一目惚れだよ』
圭『え？！』
薮『やっぱ意外かぁ…』
予想通りの圭人の反応に思わず笑が零れる。
光に聞かれた時も、慧に聞かれた時も、同じ反応されたんだよなぁ。
なんなら当時の大学の友達にも、会社の人にも、話す人みんなに同じ反応をされた。
圭『意外っていうか…予測してなかった…』
薮『なんだと思った？』
予測もされない俺の一目惚れ。伊野尾あたりにはあれは一目惚れって言わないって言われるけど。
でもあの日、酒を飲んで笑いながら涙を流す深雪さんを、ものすごく綺麗だと思ったんだ。
この人のいろんな顔を見てみたい。
この人の心の中全部見たい。
なにもかも、俺のものにしたい。
圭『俺、お母さんがお父さんを好きになったと思ってた』
薮『え？！』
今度は俺が驚く番。
深雪さんが俺のことを先に好きになった。そう言われたのが初めてなわけじゃない。
驚いたのは、光と慧とまったく同じことを言われたから。
ちなみに雄也は興味がないのかどうでもいいのかは知らないが、聞いてきたことがない。
圭『だってお母さん、お父さんのこと大好きでしょ？』
薮『なに、それ。なんで？』
深雪さんが俺のことを大好きって、知ってるけど、でも他から聞かされるのはワケが違う。
圭『えーだって、お母さんてお父さんの話しかしないよ？お父さんがお仕事でいない時、ずーっとお父さんの話してるの。薮くんはね、薮くんがね、って』
あぁ、もう。深雪さん可愛すぎ。
圭人からの不意打ちな話に、自分の顔が赤くなるのか分かる。
圭『お父さん？』
薮『俺の方が、深雪さんのこと好きだよ』
いらない対抗心を圭人にぶつけたって仕方ないけれど。
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優子 - 読みました。光君大丈夫かな？これからどうなるか？気になります。 (2017年8月23日 23時) (
レス) id: baaab4d872 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。これからどうなるか？気になります。 (2017年8月21日 17時) (レス) id: baaab4d872 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年8月21日 4時
