ピアノ (ページ13)

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目が覚めた。

まだ隣りにはユンギが気持ちよさそうに寝ていた。

そうだ…ユンギと…

思い出すと恥ずかしかったが…それより、好きな人と一緒になることで、温かい気持ちでいっぱいだった。

ずっとずっと好きだった人。

私は決めていた。

ユンギの夢の邪魔だけはしたくない。

ここですっぱり縁を切ろう。

じゃないと、ユンギも私もずっと中途半端なままだ…

散らばった服を着て、気持ちよさそうに眠るユンギを見つめる。

もうユンギを起こしにくることもなくなる。

こんな無防備な姿、他の誰にも見せたくない。

いつだってユンギの隣に立っていたい…

溢れる思いは止まらなくて、また涙が溢れそうだった。

ユンギの頬に触れると少し動いてまた眠る…。

「ユンギ、サランへ。いつまでも応援してるからね…」

触れるだけのキスをして、ユンギの家を出た。

家を出た瞬間涙が止まらなくて…

座り込んでしばらく泣いた。

それから、ヒョクじぃの店に行った。

甘いココアを入れてくれて、ユンギのことを話した。

もちろんヒョクじぃはユンギのソウル行きのことも知っていて…

私だけには言わないでと固く口止めされていたらしい…。

そして、私もユンギのことを応援するため、これからはもう関わらないと決めたことを伝えた。

そして、明日、ユンギがソウルに向かうまでヒョクじぃの家で隠れさせてもらうことにした。

これ以上ユンギに会うと、また行かないでとか泣いてしまいそうだったから。

会わずに別れると決めたから、

そして、次の日

ユンギは大邱を去り、ソウルに旅立っていった。