ピアノ (ページ11)

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ひたすらユンギに手を引かれ、着いた場所はやっぱり高台だった。

12月の夕方。

誰もいない高台のベンチに２人で座る。

YG『ん、』

温かいココアを頬に当てられたので、素直に受け取る。

YG『めっちゃ探したんだけど、電話も出ねーし。』

ふとスマホを見るとユンギからの着信が３回。

「ごめん、気づかなかった…」

YG『ヒョクじぃが、Aが喫茶店にいるって教えてくれたから良かったけど…』

「何か…？用があったの？」

YG『今日もおじさん、おばさん店だろ？Aが寂しがってるんじゃねーかなと思って、家いったら誰もいねーし、イヴ誰かと遊んでんのかとか…色々考えたし………』

最後は小声であまり聞き取れなかったけど、

とにかく私を探してくれたらしい…。

素直に喜べばいいのに、

いい加減逃げてばっかはダメだなとも思ってきた。

「ユンギと会えて良かった。ひとりぼっちのイヴはさすがに寂しいもんね笑」

YG『やっと笑った。』

私を見て優しく微笑むユンギ。

このままじゃダメだ。

待っててくれてるユンギにきちんと言わなきゃ。

「ユンギ…。こないだはワガママ言ってごめん。今日まで色々考えたんだけど…あたしはここからユンギを応援してるよ。どんなに遠くても、いつも応援してる。だから、ユンギ夢を叶えて。」

YG『A…本当泣き虫すぎ…』

今日はとことん涙腺が弱いらしい…

ユンギの手が頬を包み、涙を拭ってくれる。

YG『Aのことだからそう言うって分かってたけど、なかなか返事しないからちょっとは一緒に行けるんじゃないかって期待した…。』

「今は行けない。でも、私もいつかソウルに行って夢を叶えるから…だから今は大邱で頑張る。」

YG『おう、Aも頑張れ。応援してっから…』

「うん。でも、やっぱ寂しい。」

ユンギの袖をつかんでいじける…

YG『ははっ笑。それはケンカ相手がいなくなるから？笑。』

「……………」

袖を掴んだまま、俯くとまた止まったはずの涙が溢れて来る…

「バカ、バカユンギ…」

気づいたら抱きしめられてて、

YG『本当俺はバカだな～.こんな可愛いAを置いてソウルに行くなんて…笑。』

「！？えっ！？」

YG『俺にとってAは何しても可愛い。泣いても怒っても…

ずっとずっと好きだった。」