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不死鳥の雫 デュラララ!! ページ1

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『おはよう臨也少年。いい夢は見れたかい?』


「もう少年って年じゃないんだけどね」



15才くらいに見える少女は赤い髪をなびかせて朝日が上った空を見上げた。


少女と黒髪赤目の男が今立っているのは池袋で一番高いビルの上。


まだ日が上ったばかりで人は少ない。




「…そろそろ教えてほしいんだけど」


『…何をだい?』


その男はいつもとは違う真剣な顔で少女を見る。
だが少女はいつもと変わらない薄ら笑みをしている。



「…気づいているんだろ?君の情報を探してみても名前も何もかも、全く出てこなかった」


少女はまだ空を見ている。



「……ねぇ…一体、君は“何”なの?」



『………“何”、か……


それは自分でも分からない。目覚めたらそこにいた。

もう何年も前の話だよ。

自分は地球という星が生まれる前に“いた”。
もしかしたら宇宙が生まれる前に“いた”のかもしれない』


少女は懐かしむように語る。

男は目を細めて少女の語りを聞く。



『名前は…あったのかな…?あっても忘れたよ』



「……じゃあ君は人間?……それとも…」


男は少女にもう一度問う。

だがそれは男が言い終わる前に証明された。



『まだ詳しくは知らないけど、ここで言う、不死鳥_フェニックス_ってやつじゃないかと思っているよ』


いつの間にか少女の背中には燃えるように赤い二つの大きな翼があった。

それは日の光を浴びてさらに赤くきらめいている。

男は思わずその美しさに息を飲んだ。



「…は、はは……そうか」


『……確か君は人間が好きなんだよね。…自分を見てどう思う?拒絶する?嫌いになる?今まで黙っていた自分を恨む?』



少女は空を見るのをやめ、その爛々と燃える炎のような赤い目で男をとらえる。



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不死鳥の雫 デュラララ!!→



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作者名:ぼるぼっくす | 作成日時:2014年5月25日 17時

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