【ハイキュー!!】白い首筋には紅い跡【及川徹】

紅い跡4 ページ4

パイが美味しいと有名なお店に行けば、あの子のいつもの澄ました顔から好物を目にした小さい子のように目を輝かす。




あの子はチェリーパイ、俺はアップルパイを頼んだ。




行列ができるお店なのですぐにパイが来るはずがなく、ちょっとお話をしながら、待っていた。




そっと、あの子にはバレないように首筋を見れば、前よりは少し薄くなった紅い跡が見えた。




今日はいつも下ろしている髪を高く結び、首筋を露出させている。





優等生であるあの子には似合わないはずのその跡はなんだか、不釣り合いなくせに魅力を感じさせた。



パイが運ばれるとあの子がうっとりとした顔でサクッとホークを刺した。




ふんわりとさくらんぼと林檎の匂いが鼻にかすり、なんだか甘い気分になった。




夢中になって、食べているあの子を見ながら、俺はゆっくり食べた。俺のほうがひと回り小さいものだったので先に食べ終わり、ちゅうとレモンティーを飲んだ。




あの子の口元にパイのカスがついてあったから、手を伸ばし、取ってあげると頬をピンクに染めて、か細い声でありがとうと言った。




たまに見せる幼い行動もちょっとのことに照れて、頬がピンクに染まることを知っているのは俺ぐらいだろう、そう思えばなんだか嬉しくなった。

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