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奇病9 ページ9

首筋についた噛み跡。白い肌に赤く、その存在を強く示している。






及川さんにやられました、






なんて言ったら、及川さんに迷惑がかかるし、前二口くんに忠告(?)されたばっかだし。






うーんうーと悩んでいると、二口くんの鋭い視線と冷たい表情が刺さり、真実を言いそうだ。





「い、犬に噛まれました」





「見え見えの嘘つくな」






ペシッと軽く頭を叩かれる。次の嘘を考えよう。






「爪でやった」





「どうやって、やんだよ、今やってみろよ」






「アハハー嘘ですー」






はい、論破。





二口くんに言葉で、嘘で勝てる気がしないよ。






「お、及川さんにやられました。誰にも言わないでください」





「最初から、本当のこと言えばいいのに...
もう少し危機感持てよ、怒られるだけじゃ、わかんねーのかよ」






激おこの二口くん。怖いです。





いつもより低い声に、睨んでいるような苛立った表情。






「持っても、無理だったの!!」






「何が無理だったんだー?」






反論すると、それなりの大声だったようで布団に潜ってたはずのリエーフくんが顔を出して、言った。







「なにもない、早く寝とけ」




「はーい」






忠犬みたいだなー。危機的(?)状況なのにそう思ってしまう。






「んで、危機感持ったはずのAはなんで2人っきりで部屋、いられんだよ」






「そ、それは」






「大丈夫だろう、そんな甘く考えてたんだろ?」






「....ごめんなさい」






私のことで心配して、怒っている二口くんに申し訳なくなって、謝る。







「謝っても許さないからな」






「え、そこは許してよ」






「明日から覚悟しろよ」




低く、妙に色っぽい声で言われ、私は「はい」としか言うことが出来なかった。

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設定タグ:ハイキュー , 逆ハー , HQ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:水浅葱 | 作者ホームページ:http://mazyokuroneko  
作成日時:2016年5月15日 19時

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