奇病13 ページ13
こんなに奇病の症状が一気に出るなんてありえない。黒尾さん、薬の調合とか間違えちゃったのかな?
「俺、ちょっとクロに話してくる」
「うん」
研磨くんが黒尾さんの元へ行き、私を含めて、他の人は部屋に戻ることにした。
「あ、猫」
部屋の窓から三毛猫が見えた。道路脇にいて、車に轢かれそうなところにいる。
このままだと轢かれちゃう。
私は一旦1階に行き、廊下の窓から外に出る。監視カメラにバッチリ写ってるだろうけど、三毛猫を安全な場所にやるだけだから。怒られるだろうけど、納得してもらえるだろう。
三毛猫を腕に抱え、車通りの少ない所に下ろす。にゃーにゃーと鳴く三毛猫を撫でて、ほんわかしていると
「おい」
と誰かに話しかけられた。誰だろう、と振り向くとそこには影山くんが。
「久しぶり!」
「久しぶりだな、お前このへんなんだな」
「うん、あっそろそろ戻らないと!」
早く戻らないと怒られそうだし、影山くんにも迷惑かけそうだしね。
「そういえばこれ、母さんがあったら渡せって」
影山くんは手に持っていたものを私に渡し、走っていった。
渡されたものを見ると手作りのネックレス。お母さんの優しさに嬉しくなり、私は少しの間立ち止まった。
窓から戻った後、もちろん怒られました。
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作者名:水浅葱 | 作者ホームページ:http://mazyokuroneko
作成日時:2016年5月15日 19時