XXXII ページ32
「殺生丸!ただいま」
私は阿吽から降りてすぐに殺生丸のそばに駆け寄る。どうやら、殺生丸は私たちの匂いに気づいて立ち止まってくれていたようだ。やっぱり優しい。
「叶夢!もっと大人しくできんのか!」
邪見が何か言っているが、とりあえず無視しておく。
「叶夢、遅かったな」
「ごめん、ちょっと寄り道しちゃって」
「あれにあったのか」
顔を若干歪めながら話す。あれとは犬夜叉のことだろう。そんなに嫌いなんだ。
「うん、途中立ち寄った村でね」
「それに微かだがこの匂い、まさか奈落にもあったのか」
やっぱり犬妖怪の鼻は誤魔化せないか…
「傀儡にね。四魂の玉をよこせって言われた。もちろん、渡してないし、すぐに倒したけど……」
「そうか。もうこちらにも手を出してきたか」
「そうみたいだね。でも、奈落も私が殺生丸のそばにいる間は気軽には手を出して来れないだろうから今すぐどうこうってことはないとは思うけど」
ただ、かごめと私、どっちを優先するかっていうと、五分五分ってところだろう。かごめの方が少し安全な代わりに私の方なら他の四魂の玉のかけらを集めなくても四魂の玉丸々一つが手に入る。メリットに対するデメリットの割合を考えるとどっちにきてもおかしくない。
「そういえばその子は?」
「私りん!お姉さんは?」
私たちに気を使っていたのか、少し離れたところにいたりんちゃんが私のそばに駆け寄ってくる。
「私は日暮叶夢。よろしくね、りんちゃん」
「うん!よろしくね、叶夢お姉さん!」
この後邪見にりんちゃんと会ったときのことを聞いたけど特に原作と変わっているところはなさそうで安心した。
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ピス - 面白かったです。早く続きを見たいです。 (5月6日 12時) (レス) id: 55e7b9ecf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2019年2月9日 8時