優杏様の生まれ変わり【犬夜叉】 (ページ31)

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XXXI ページ31

「奈落を探しているのよね。彼ならあの方角にいるわ。真っ黒な四魂のかけらを持っているようね。それに、あの四魂のかけらは結構大きいわ。気をつけてね。
私は村長に話をして、すぐにこの村を出るから、この村ちゃんと守ってね」

私はかごめ達にそう言い、部屋から出る。すると、ちょうど部屋のすぐ近くに村長がいた。

「巫女様、先ほどは本当にありがとうございました」

「いえ、あのくらいいいんですよ。ですが、また他の妖怪がこの村に近づいてきているようです」

私がそう言うと、村長は驚き、慌てだした。

「巫女様がまた倒してくださるんですよね」

村長は私に期待を込めた様子で言う。

「すみません、私は戻らなくてはいけなくて。ですが、その代わりに私の妹とその一行がこの村は守りますのでご心配なく」

だが少し不安そうな表情になる。

「彼らは本当に強いのですか？」

「ええ。彼らは強いので、心配はいりません。ですが、その妖怪は明後日頃に来るのでそれまでの寝食は……」

「ええ！もちろん用意させていただきます。何から何まで本当にありがとうございます！」

私が彼らは強いと言うと、村長は安心したようで、表情が柔らかくなった。

「では私はこれで」

私が阿吽のところへ行くと、阿吽は自分の役目が分かっているようで、私が乗るとすぐに殺生丸の方へ飛んで行く。生憎私は殺生丸がどこにいるかはわからないが、阿吽は鼻が効くから殺生丸が移動していてもわかる。
私は奈落の場所はわかるが、殺生丸は四魂のかけらを持っていないからさっぱりわからない。私も鼻が効けば便利なのになあ。

「阿吽、殺生丸のところに行くにはだいぶ時間がかかるの？」

私が阿吽にそう尋ねると、阿吽は肯定するように鳴く。

「この近くに村はなさそうだし、今日は野宿になるのか。まあ仕方ない。阿吽、今日はここらで寝よ」

そう言うと、阿吽は静かに地面へと降りて行く。

「この四魂のかけらの気配って、恐らく奈落…」

「ククッ、流石優杏の生まれ変わりだな」

何処からかそんな声が聞こえ、次の瞬間、黒い竜巻？が現れ、そこから奈落が出てくる。

「それで？あなたは何のようなの？」

「四魂の玉を持っているだろう？それをよこせ」

「私が素直に渡すとでも？」

私がそう答えても余裕そうな表情の奈落。気にくわないな。

「貴様に拒否権はない」

「ハハッ、冗談を」

だけど私もお返しと言うように余裕の態度を取り、奈落を刀で切り裂く。やはり傀儡か。