優杏様の生まれ変わり【犬夜叉】 (ページ4)

今日:8 hit、昨日:28 hit、合計:37,177 hit

IV ページ4

「なにしろ戦国時代は乱世、妖怪が存在したと言われるほどですから、記録はあまり残っていません。伝説のように語り継がれているものです。ですが、この桜木家は優杏様の子孫と言われていて、だから強い霊力を持っているのだろうと」

そんなすごい家系だったんだ。だから、そんなに強い霊力を。

「ですが、それなら何故私の容姿がその優杏様と似ていると？」

伝説だけだなら容姿までは語り継げないような気が……

「実は、伝説と言っても実在した可能性は十分にある。この家にはその優杏様が描かれている掛け軸があるのです。そしてこれがその掛け軸です」

そう言われ、見せてもらった掛け軸は非常に古そうなものだが、保存状態はとても良さそうだった。そして何より目についたのが、そこに描かれた1人の非常に美しい巫女。その巫女の弓を弾く姿はこの世のものとは思えないほど美しかった。そして、どこか私に似ていた。まあ、私はここまで美しくはないけど。

「すごい……」

「ええ、私も初めてみた時は目を奪われました。本当にこの世にこんなに美しい巫女が存在するのだろうか、と。ですが、あなたを見たら存在したかもしれない。その考えは強まりました。
確かにあなたはまだ3歳と幼いため、顔つきも幼い。ですが、あなたが成長し、この絵の優杏様と同じくらいの年齢になれば、あなたはよりこの姿に近づく。
あなたはきっと優杏様の生まれ変わりです」

私が……

「私が伝説の巫女の生まれ変わり……」

「ええ、きっとそうに違いありません」

さっきよりも、確信したように真剣な表情でいう。

「そういえばさっき、戦国の世で3番目に霊力が強いと仰られましたよね。では1番目や2番目というのは？」

3番がいるなら、1番や2番もいるはずだ。話では1番は出ていない。

「1番は、桜様という巫女様です。その巫女様は普通の巫女とは比べ物にならないほど霊力が強く、世界一の霊力を持っていました。そして、特殊な遺伝の持ち主でもありました。
桜様は戦国一の大妖怪と言われる犬妖怪と結婚したという伝説もあります。そして、その子供はその遺伝子の影響で特殊な半妖になったと。その後はその子供が桜様の霊力を越して、1番になり、桜様が2番、優杏様が3番となったと伝えられています。ですが3番と言っても、桜様やその子供とも殆ど差はなく、2人を抜いて1番になったこともあるほどです。
ですが、妖怪というものが居たというのも不思議な話。本当かどうかなんてわかりませんが」