優杏様の生まれ変わり【犬夜叉】 (ページ20)

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「ん～、じゃあ遊園地でも行く？」

「ああ、そこでいい」

私は特に行きたいところがあるわけではないから、そう答える。

「ここだよ。平日だから結構空いてるね。親子連れの割合がすごい高いけど」

叶夢は偶に知らない単語を発する。この前邪見が聞いていたが、どうやらこの国の言葉らしい。

「ん～、お化け屋敷は殺生丸連れてくと事件起こりそうだしw、ジェットコースターに乗ろ！」

私が行くと事件が起こると言うのは少々腹が立ったが切り替えて返事をすることにした。

「なんだそのジェットコースターというのは」

また知らない単語を言われる。この単語は言いにくいな。

「まあ行ったらわかるよ！だけど、装置とか壊さないでね。絶対に」

「ああ、その装置とやらは壊さないよう気をつける」

装置というものも何かわからないが、何も壊さなければ問題ないだけだ。
あの後、色んなアトラクションとやらに乗ったが、よくわからなかった。まあ叶夢は楽しんでいたようだからいいが。

「じゃあ最後はやっぱり観覧車かな」

「まだ乗るのか」

「これが最後だから！」

「さっきまでのとは違うな」

さっきまでのアトラクションとやらとは、だいぶ種類が違う。

「まあね」

「ただゆっくり動いているだけとは」

これの何がいいんだ？

「人は空を飛べない。だから、この高いところからの景色っていうのは結構新鮮なんだ」

人とは不便な生き物だ。

「そうか」

ゴンドラの中はシンと静まり返る。だが、私の鼓動はその逆だ。すごく煩い。沈黙の時間、その時間でさえ、叶夢と共にいられるのであれば、いつまでもこの時間が続けばいい。そう思えてくる。

ああそうか、私は叶夢に恋をしているんだ。

その瞬間から、今までより更に叶夢のことが愛おしくなる。

頂上に来た時、夕日が橙色に輝く。
そして、私達は口付けを交わしていた。本当に自然に、どちらからともなく。少し前までなら考えもしなかったことだが、幸せだ。ああ叶夢がこんなにも愛おしい。

「叶夢、お前のことが誰よりも愛おしい」

「私も殺生丸のこと、愛してる」

私達はもう一度口付けを交わす。今度はさっきより少し長く。私が叶夢を愛おしく思い出したのはいつからだろう。いや、今はそんなことどうでもいいか。だが、この感情が愛おしいというものなのであれば、初めて出会った時から、だな。