優杏様の生まれ変わり【犬夜叉】 (ページ18)

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XVIII ページ18

「ここだよ。平日だから結構空いてるね。親子連れの割合がすごい高いけど」

まあ平日の昼間。当たり前といえば当たり前だ。私は学校に行ってないけど、今もみんなは学校で勉強をしているだろう。

「ん～、お化け屋敷は殺生丸連れてくと事件起こりそうだしw、ジェットコースターに乗ろ！」

「なんだそのジェットコースターというのは」

「まあ行ったらわかるよ！だけど、装置とか壊さないでね。絶対に」

「ああ、その装置とやらは壊さないよう気をつける」

私はジェットコースター好きだけど、やっぱり殺生丸はそんなでもないかな。でも逆に絶叫系で叫んだりでもしたら驚くなんてもんじゃないけどね。
実際にジェットコースターに乗ってみたが、殺生丸は無表情のままだった。やっぱり。その後もいろんなアトラクションを楽しんだが、殺生丸は相変わらず。

「じゃあ最後はやっぱり観覧車かな」

「まだ乗るのか」

「これが最後だから！」

私達はカップル割引というのを使った。殺生丸は意味わかってないし、別にそういう意味じゃない。ただ安くなるなら安くしたほうがいいだろうというだけのことだ。だけどなんでだろう、少し嬉しいのは……

「さっきまでのとは違うな」

まあさっきまでは絶叫系だったし。私絶叫系好きだから……

「まあね」

「ただゆっくり動いているだけとは」

「人は空を飛べない。だから、この高いところからの景色っていうのは結構新鮮なんだ」

「そうか」

話すことがなくなり、ゴンドラの中はシンと静まり返る。だけど、私の鼓動はその逆で、すごく煩い。普通なら気まずいような沈黙の時間。だけど、その時間でさえ、幸せでいつまでもこの時間が続いて欲しいと思えてくる。

ああ、私、殺生丸に恋してるんだ。

それに気づいたその瞬間から、今までより更に殺生丸のことが愛おしくなる。

ゴンドラが頂上に来た時、夕日がオレンジ色に輝く。
そして、私達は口付けを交わしていた。本当に自然に、どちらからともなく。数秒前までなら夢にも思わなかったこと。だけど、すごく幸せ。最高に、幸せ。

「叶夢、お前のことが誰よりも愛おしい」

突然の告白に驚いたが、私もそれに応える。

「私も殺生丸のこと、愛してる」

私達はもう一度口付けを交わす。今度はさっきより少し長めに。私が殺生丸に恋したのっていつだろう。いや、今両思いなんだからそんなことどうでもいいか。だけど、この感情が恋というものなら、初めて出会った時だ。