XVII ページ17
みんな、私のこと心配してくれた。本当にごめんなさい。
「まあ、叶夢が無事で何よりだ。それでどこへ行っていたんだ？」
お父さんは、お母さんやおじいちゃんを宥めるようにそう言う。
「それに、後ろの人？は？」
ああ、殺生丸。そりゃ気になるよね。当たり前だ。
「実は、井戸を通って戦国時代に」
「せ、戦国時代！？」
おじいちゃんが1番驚く。お母さんとお父さんは驚いているようだが、おじいちゃんほどじゃない。なんというか……流石だ。
「それで、この人？は殺生丸。戦国時代でお世話になってる妖怪だよ」
「別に世話などしていない」
今度はおじいちゃんはもちろんだが、お父さんも流石に驚いていた。お母さんは相変わらずだ。さすがお母さん！
その後、色々と事情を説明した。その間殺生丸は私の部屋にいてもらった。因みにかごめ達は学校。
だが、殺生丸は外を見てみたいというから、こういうこともあろうかと、用意して置いた新品の男物の服に着替えてもらった。ジーパンにTシャツというシンプルなものだ。今は夏ではあるが、長袖長ズボンだ。殺生丸が着るならあの腕の印？を隠したほうがいいと思って長袖は必須。というか、キャラ的に半袖半ズボンはダメな気がする。それに、年中着物着てるくらいだから温度的には大丈夫だよね。妖怪だし。でも、ちゃんと服着られたかな。
コンコン
一応着替え中だといけないので、ノックをする。
「殺生丸、入っていい？」
「ああ」
返事が聞こえたのでドアを開け、入る。殺生丸は来ていた着物を丁寧に畳み、置いていて、服はしっかりと着替えられていた。よく着替え方わかったな。それにしても、シンプルな服なのにすごい似合ってる。銀髪に長髪っていうのは結構目立つけど、そこは仕方ない。
「じゃあ早速外出かける？」
「ああ、案内頼む」
殺生丸にちょっとしたことだとしても頼まれたことが嬉しくて、自然と笑顔になる。
「なんだ」
「別に。ただちょっと嬉しかっただけ」
「何がだ」
「内緒！」
そういうと、殺生丸は諦めたらしく、静かになった。なんだろう、殺生丸といると、楽しくて、幸せで、この時間がずっと続けばいいって思えてきて、胸がドキドキして、自然と笑顔になれる。この気持ちって何？今度お母さんにでも聞いてみようか。
「殺生丸、どこ行きたい？」
「私はこの国の場所など知らない。叶夢の好きなところにしろ」
「ん〜、じゃあ遊園地でも行く？」
「知らないが別にどこでもいい」
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ピス - 面白かったです｡早く続きを見たいです｡ (5月6日 12時) (
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作者名：ゆい | 作成日時：2019年2月9日 8時
