XIV ページ14
「女！薬草は自分でわかるんだろうな！」
なんで聞くだけなのにそんなに当たり強いの？
「殺生丸にも言ったけど、女じゃなくて、私には名前があるの！」
「女、それなら早う言え！」
いやいや、普通名前あるでしょ。
「私の名前は日暮 叶夢、言ったんだからちゃんと覚えてよね」
「そんなに記憶力悪くはないわい！」
つまり覚えてくれるってことか。邪見も殺生丸ほどじゃないけど素直じゃないよね。殺生丸の影響かな。
「さっさと薬草取れ！こんなところにずっとおったら人が来るじゃろ！」
「はいはい、えっと？傷に効くのは確か……」
私はブツブツと独り言を言いながら常備用にも何種類かの薬草を取る。
「これくらいでいいよね」
「なんじゃ叶夢、お前薬草の区別つくのか」
「なに？わからないと思ってたの？」
ちょっと、不機嫌になりながら言う。馬鹿にされたようで嫌だからね。
「意外だっただけじゃ」
まあ元々私も薬草の区別なんて付かなかったけど、自分で調べてたんだよね。だって知らないと不便だと思ったから。
私はお腹に薬草をすり潰したものを貼り、一応持っておいた包帯を巻く。かごめみたいに大荷物にするわけにいかないから、数個だけ包帯を持ってきた。救急箱はでかいからね。包帯じゃなくて手ぬぐいでもよかったけど、どうせ持って来るなら、包帯のほうがいいかと思って。こんなにすぐ使う羽目になるとは思わなかったけど。
「終わったか」
殺生丸は邪見と少し離れたところにいた。いや、私が少し離れただけか。それにしても、相変わらず‘？’のない疑問文だこと。
「まあ終わったよ。待たせちゃったかな」
「当たり前じゃろ！」
急に殺生丸の後ろから出て来るもんだから、少し驚いた。
「邪見、あんたには聞いてない」
「なっ！？ん？わし名前言ったか？」
邪見って……
「馬鹿？」
「なっ！何を言う！殺生丸様が馬鹿だなんて！！」
「いやいや、殺生丸は馬鹿どころか逆に頭いいと思うよ。馬鹿だと思ったのは邪見の方で……」
邪見の誤解をしっかりと解く。あ、でも馬鹿ってこと自体訂正したほうがよかったかな。
「なっ！？なんでわしが馬鹿なんじゃ！！」
「だって、殺生丸の名前の時もだけど、あんたが散々自分で言ってるのに気づかないし、邪見の名前だって、殺生丸が名前呼ぶんだから、わかってもおかしくないでしょ。なのにそれにも気づかない。だから、馬鹿かなあって……」
あ、ついうっかり思ってたこと言っちゃった。
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ピス - 面白かったです｡早く続きを見たいです｡ (5月6日 12時) (
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作者名：ゆい | 作成日時：2019年2月9日 8時
