File_05 手紙デリバリー？ ページ12
受け取れ､と渡された白い封筒。この白い封筒――恐らく果たし状――の送り主は､サバナクロー寮寮長であるレオナ・キングスカラー。
送り返したい気持ちがあるが､あの｢受け取らなかったら命はないぞ｣とでも言うような目で見られてしまった。これで返せる人がいるなら是非とも教えて欲しいところ。
震える手で紙を開き､中の文を読む。
『明日 放課後 オンボロ寮にて』
｢え｣
何となく予想らしていたものの､やっばりこうして見ると落ち着いていられない。口を開けて固まる私を見て､彼はどこかへ行ってしまった。
てかオンボロ寮で戦うつもりか。ならば予め寮に防御魔法でも張っておかなければ……
｢どうしたんですか？Aさん｣
｢ゆ､ユウくん……！！！｣
タイミングが良いのか悪いのか､固まってい私の元へユウくんがやってきた。ユウくんにひと通りのことを話すと､彼は目を見開いて固まった。
｢いや本当に果たし状なのか……？ラブレターだとかの可能性もなくはない……でも……｣なんて一人言をぶつぶつ言うユウくん。
少なくとも､ラブレターの可能性は無い。というかあって欲しくない､というのが本音。別に嫌いなわけでは無いしどちらかと言えば好んでいる人物だ。
ならばなぜか。
レオナさんの考えが理解出来ないから。それなりの洞察力等は持っているつもりだが……こういうものに関してはさっぱり。相手の考えが全く分からないのは怖いものである。
｢……とりあえず､明日はずっと一緒にいましょう！！｣
私の手を握りながらそういうユウくん。私は握り返して頷いた。
◆◆
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作者名：夢乃夢子 | 作成日時：2020年5月17日 15時
