ミニチュアダックスフンド ページ11
『仁坂A』
夜。
ショッピングモールで目当ての物を買い終わり、帰ろうとエスカレーターに乗る。
男物の下着とか初めて買ったんだけど、前履いてたやつと似たので良いよね。というか何で私が買ってあげなきゃいけないんだよほんと。
今度泊まりに来たときに文句言ってやる、と思いながらエスカレーターを降りると、一つ下の階で大きなツリーとオーナメントが飾られているのを見つけた。
そっか、漣くんも言ってたけどクリスマス近いんだよね。
今じゃ恋人たちの祭典みたいになってるから余計覚えたくないんだよごめんね、これも非リアの妬みか。
いや、あの漣ジュンくんから求婚じみたことされてる私は、非リアとかほざけない身分になりつつあるのか。どんな非常事態だよこれ。
ショッピングモールのガラスに映る私の顔を見つめる。
別段綺麗ではないし、別段崩れてもない顔面。とは言っても漣ジュンくんの隣に平然と並べるレベルではない。
『何で私、とか……何か思うだけ切ねぇ……てか何様だ。』
嬉しくないわけない、喜んでないわけない。でも……
やっぱりちょっと、違う気がする。
『！ ……これ、』
こんなことを考えてしまう私は、どれほど傲慢なのだろう。
ーーー…
『うう、ほんとに行くの、私。イケるのこれで？』
漣くんに伝えられた予定時間はもう何時間も過ぎている。
行くつもりなんてなかったのに、ていうかめちゃくちゃ時間過ぎてるのに行ったところで……
けど、いつも連絡をくれる漣くんが、何の連絡もよこさないってことは、何か巻き込まれたんじゃないかとか。
もしかしたら、私が来ないつもりだってわかってるんじゃないかとか。
そういうことをぐるぐる考えてたら、何かわかんないけど手が動いてて。
すっぽかそうとしてたのに、ほんと何様。
____「貴女はさっきから、アイドルとしてのジュンのことしか考えていない。少しは彼を見てあげたらどうです。」
でも、あんな恋のこの字も知らないようなぼっちゃまに見透かされてるうちは、彼を振ったら駄目なんだ。
自分を守るためだけに、彼の心を傷つけるなんてオタク失格。
靴を履いて歩き出す。だんだんと、足取りは早くなる。
集合場所から自宅は近い。ゆっくり歩いても五分もあれば着く。
なのに、はやる気持ちが抑えられない。
カランコロン、と上品な鐘の音が鳴る。
夕方に差し掛かる時間で、人もまばらだった。
『……漣、くん。』
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» うわぁ、またまたそんな萎えるミスを……ご指摘ありがとうございます……！ (1月6日 17時) (
レス) id: 3da0e90f37 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - ページ22「バセンジー」に名前変換ミスらしき単語が…((ｺｿｯ (1月6日 13時) (レス) @page22 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - にとろさん» 小さな奇跡が……！解釈一致すごい嬉しいです！こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました！ (10月24日 23時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にとろ - 初コメ失礼します‼夢主ちゃんの誕生日と私の誕生日が同じで、ついマジかよってなりました。ジュンくん解釈一致で堪らなく好きです！最高な作品ありがとうございます😊 (10月13日 23時) (レス) @page2 id: 5c45186ae9 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 綾さん» うわぁぁ自分も大好きです！！！読んでいただけてめちゃくちゃ嬉しいです〜！きゅんきゅんできるような小説作れて良かったです……笑 (8月15日 16時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2023年4月4日 0時
