めいわく ページ8
初日にアリスが連れてきてくれたカフェに入ると、ウェイトレスが小走りで迎えてくれてすぐ席に案内してくれた。ケーキを頼んで待っている間に、アリスが言っていたことを思い出す。
｢チェシャ猫って、言ってたわよね｣
｢キミたちはA様の知り合いかい？｣
突然声をかけられて横をむくと、質の良さそうなスーツに身を包んだ男がカップを弄りながらこちらを見ている。ウェイトレスと同じように、アリスのことをAと呼んでいる。
不審に思って見つめると、怪しいものでは無いと両手をあげてアピールされた。
｢……アリスに、チェシャ猫を探せば教えてくれるって言われたの。あなた何か知ってるの？｣
少し悩んだ素振りを見せた男は、困ったように笑って答える。
｢チェシャ猫はA様の頭の中の住人さ。一緒にいればわかるだろう？ 彼女はなんでもない嘘をつく、それもその一つさ｣
猫はすぐに消えるでしょう、とアリスが言っていたことを思い出した。それなら、チェシャ猫がアリスの空想上の生き物なのも理解できる。ならアリスは一体誰に聞けばいいと言いたかったのか、存在しない人を追いかけさせるような子には思えずにロビンの方を向くと同じように首を傾げられた。
｢チェシャ猫が誰のことを指しているのかはわからないけど、ある程度のことは答えられると思うよ｣
少し怪しいけれど、嘘をついているようにも思えない。他に思い当たる節も頼れる人もいないしと、隣の男と話すことをする。
｢この島のログはどのくらいでたまるの？｣
｢きっかり四日だよ｣
つまり最低でも今日を入れて二日この国にいる必要がある。それまでに何か少しでもアリスの力になれたらなんて、柄にもなく船長みたいに首を突っ込みたくなってる自分に気がついた。
｢ねえ、ロビン……迷惑じゃ、ないかな｣
｢……さあ、どうかしら。でもそうね、私はアリスの事情に首を突っ込みたいわ｣
ナミはどうかしら、と笑いかけられてドキッとする。見透かされてる。そして、ロビンも同じことを考えてる。そう思うと不安は少し薄れて、意を決して男に質問した。
｢アリスのこと、教えて欲しいの。できるかぎり全部。それで……｣
──私たちにアリスを救わせて。
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あ(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございます〜！最後までお付き合い頂きありがとうございました；； (2022年10月19日 10時) (
レス) id: fb59469920 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 完結おめでとうございます！！めちゃ面白かったですー！！！お疲れ様でした😊 (2022年10月18日 20時) (レス) id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - クロノトさん» ありがとうございます！最後までお付き合い頂きありがとうございました！！ (2022年10月17日 2時) (レス) id: e349160874 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - 最高すぎる終わり方でしたお疲れさまでした (2022年10月16日 9時) (レス) @page25 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 桜葉さん» ひええありがとうございます〜〜；；魅力的だなんて……！！ (2022年10月13日 18時) (レス) id: 7957da95fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2022年10月10日 3時
