むかしの ページ3
しばらくケーキを食べながら話したあとアリスは、お茶会に行かないと、と先に店を出ていった。旅の話を聞くのがだいぶ楽しかったみたいで、少し惜しそうに席を立ったアリスに明日も会う約束をして解散した。
｢可愛らしいけど、変わった子ね｣
｢そうね、でも気前はよかったわね！｣
見た目に反して可愛くない値段のケーキの会計を済ませておいてくれた。年下の子に払わせるのはなんとなく気が引けるけど、払ってくれるならありがたく。
変わった子、というのはアリスが度々ついていた嘘についてだと思う。話していると普通なのに、なぜか不思議な嘘をついていた。それはウソップみたいな嘘じゃなくて、｢フラミンゴとハリネズミでクロッケーをする｣｢カキは好奇心が旺盛｣といった普通じゃ思いつかないような嘘や冗談。
｢あそこまで堂々とつかれちゃ、本当なのかと思っちゃうわ｣
｢確かに偉大なる航路だもの、ありえない話ではないわね｣
それでも、この島にはそういった不思議な生き物がいるようには思えない。すべてを見たわけではないから一概には言えないけど。
なんて話しながら口直しに紅茶を飲んでいると、さっきのウェイトレスが再びやってくる。いつまでも居座るのは悪いかと思い席を立とうとすると、慌てて止められた。
｢あの、A様とお話してくださってありがとうございます｣
｢さっきも言ってたけどAって……もしかしてアリスのこと？ あだ名？｣
さっきから気になっていたことをきくと、少し気まずそうに視線を逸らされる。何かを言おうとして開いた口は、何も音を出さずに閉じられた。その様子を見て無理に聞くのも申し訳なくて言わなくていいと言うと、眉を下げてお礼を言われた。
｢A様があんなに楽しそうにしていらっしゃるのを見るのは随分久しぶりでして……もし、お二人がよろしければこの島に滞在している間はA様と過ごしてくださらないでしょうか｣
｢そのつもりだったから別にいいけど……｣
｢あなたはどうしてあの子を気にするの？ それにA様、まるでお姫様みたいに扱うのね｣
ロビンの容赦ない質問にウェイトレスはたじろぎながらも、小さく笑った。
｢A様は、この国の女王様の一人娘、つまりは姫なのです。そして私はかつて女王様に仕えておりました。……随分昔の話ですが｣
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あ(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございます〜！最後までお付き合い頂きありがとうございました；； (2022年10月19日 10時) (
レス) id: fb59469920 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 完結おめでとうございます！！めちゃ面白かったですー！！！お疲れ様でした😊 (2022年10月18日 20時) (レス) id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - クロノトさん» ありがとうございます！最後までお付き合い頂きありがとうございました！！ (2022年10月17日 2時) (レス) id: e349160874 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - 最高すぎる終わり方でしたお疲れさまでした (2022年10月16日 9時) (レス) @page25 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 桜葉さん» ひええありがとうございます〜〜；；魅力的だなんて……！！ (2022年10月13日 18時) (レス) id: 7957da95fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2022年10月10日 3時
