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「糸町様っ探しましたよぉ!」
「ごんのずげぐん・・」
はぁはぁと息を切らしながら茂みをかき分け私の元に来るこんのすけ君。
これから私を支えてくれる、私のパートナーだ。
「ごんのずげぐん・・わだじもう゛むり・・かえりだい・・」
べそべそとべそを掻く私にこんのすけ君は言う。
「そんな弱気では駄目ですっ頑張りましょう!私も支えますので!!」
「でも・・でもぉ・・・」
怖いんだよ。何なんだよあいつ・・!
今世紀最大の演技だったのに!!!!演劇部のエースの心が抉られたいや・・。
「もうむり・・太一には悪いけど・・もう、」
「諦めちゃ駄目です!!」
「じゃあどうやって仲良くすれば良いの?!私、霊力ないんだよ?!幽霊見れないし、頭が良いわけでもない!戦術だって分かんないッ民間人にどうしろって言うのよ!!」
じわじわと涙が溢れて零れて地面を濡らす。
もう無理だ、限界だ。
「一般人にどうしろっていうのよ・・政府マジブラック・・」
「すみません・・」
こんのすけ君が頭垂れさせ謝ってくる。
この子は悪くないのに・・・。
「・・部屋、案内して欲しいです」
「・・先代様のお部屋ですが、よろしいでしょうか?」
「うん・・お願いします」
すっかりブルーな私にこんのすけ君は優しく接してくれた。
ほんとにええ子や。
さくさくと枯れ葉が音を立てる。
ここの季節はもう秋に設定されていて、地面には色とりどりの枯れ葉が落ちていた。
あっちももう涼しくなってたな。母さん風邪引いてないかな。
身体の弱い母さんを思い返し息を吐く。
『ごめんね、ごめんなさい』
母さん、母さんは悪くないよ。私は平気だから、ちゃんと病院に行って下さい。
父さんと、元気に暮らしてね。
私が居なくても、泣いちゃ駄目だよ。
泣き虫な母さん。一人になるとすぐに涙目になる。
父さんは夜勤が多いし・・大丈夫だろうか。
「糸町様?」
「何?」
「・・何でもありません」
こんのすけ君は何かを確認するように、私の名前を呼ぶ。
【糸町】
私の苗字だ。
もう名前を呼ばれることはないだろうな。
ちょっぴり寂しくなる。
現実味のないこの世界。
どこかふわふわしていて、居心地はそれなり。
突き刺さる視線は痛いけど。
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桜(プロフ) - 更新頑張ってください(* ´ ▽ ` *) (2017年9月24日 13時) (レス) id: fd03c16123 (このIDを非表示/違反報告)
伊達組好きのさにわ - みてて楽しいです! ごこちゃんかわいい(#・∀・#) (2016年11月13日 17時) (レス) id: a4c5690381 (このIDを非表示/違反報告)
宇真 - 夢主ちゃん....辛いだろうなぁ…。更新頑張ってくださいね。楽しみにしてます! (2016年3月29日 23時) (レス) id: d4e7b0622d (このIDを非表示/違反報告)
宇真 - クイックルワイパーwwwいつかクイックルハンディーが出てきそうですね。www面白いです!刀剣達が鼻血w吐血w (2016年3月29日 23時) (レス) id: d4e7b0622d (このIDを非表示/違反報告)
星種(プロフ) - 1億かぁ夢主ちゃん強いなぁー・・・続き楽しみです!頑張ってください!! (2015年11月10日 2時) (レス) id: cc8dfe9e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍月 | 作成日時:2015年8月29日 14時