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「・・糸町様」
こんのすけ君が怖々と私を見上げる。
ぐっと拳を握り、私はすぅっと息を吸い込んだ。
「こんにちは、救急箱をお借りしました。それだけです。もうこの部屋には入りませんので」
失礼します、と言って部屋を後にする。
「待て」と男に呼び止められ足を止めた。
「その血、お前のか?」
「え?」
バッと部屋に戻って畳を見る。
畳にはうっすらと私の血がこびりついていた。
わなわなと震えながらこんのすけ君を見る。
こんのすけ君も顔を青ざめさせ私を見つめていた。
「す、すみません。掃除道具持って来ま「要らん」でも、」
「畳など張り替えれば良い。お前の血なんかで穢れた畳なんぞ主の部屋に置けるか」
【穢れた】
こんな言葉ばっかり。ここに来てから言われた事のない暴言を吐かれまくっている。
さすがに私のSAN値は0に近い、いや、もうマイナス1000だな。
「・・すみませんでした」
涙を堪え震えた声で謝罪し、部屋への帰路を歩き出す。
大人しく帰ろうとすればまた呼び止められる。
「この屋敷にいるな」
「・・・なんでですか」
「なぜ分からないんだ?もう俺達は審神者を求めていない。お前が屋敷にいたら主の霊力が穢れる。屋敷から消えろ。もう二度と姿を見せるな」
穢れる、消えろ。
後どれだけ私のSAN値減らせば気が済むんだこいつ等。
ぐっと爪が掌に食い込む。唇をかみしめ、震える声で「分かりました」と言って部屋に荷物をまとめに戻った。
さぁて、どこに行けば良いんでしょうかね。
・
「長谷部!」
「・・・・俺は、俺は、なんてことを・・・・!!!」
代表で出て行った長谷部に労いの言葉がかけられる。
当人の長谷部はしゃがみ込み頭を抱え譫言のように「俺は、俺は、俺は、俺は、」と呟いていた。
「長谷部、気を落とすな・・。これも致し方がない事なんだ・・。主の意志だ、堪えろ」
「ああああああ!!主いいい申し訳ありませんんんんんんんん!!!」
切腹しそうな勢いで抜刀した長谷部を燭台切や大倶利伽羅、薬研が止めに入った。
先程の一件で長谷部のSAN値はマイナス10000000になった。
燭台切と薬研が長谷部を慰め、宗三がさりげなく追い打ちをかける。
それと同時に長谷部がまた抜刀して切腹しようとする。
のちに一匹の狐がこう語っている。
『阿鼻叫喚・・恐ろしい地獄絵図でした』
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桜(プロフ) - 更新頑張ってください(* ´ ▽ ` *) (2017年9月24日 13時) (レス) id: fd03c16123 (このIDを非表示/違反報告)
伊達組好きのさにわ - みてて楽しいです! ごこちゃんかわいい(#・∀・#) (2016年11月13日 17時) (レス) id: a4c5690381 (このIDを非表示/違反報告)
宇真 - 夢主ちゃん....辛いだろうなぁ…。更新頑張ってくださいね。楽しみにしてます! (2016年3月29日 23時) (レス) id: d4e7b0622d (このIDを非表示/違反報告)
宇真 - クイックルワイパーwwwいつかクイックルハンディーが出てきそうですね。www面白いです!刀剣達が鼻血w吐血w (2016年3月29日 23時) (レス) id: d4e7b0622d (このIDを非表示/違反報告)
星種(プロフ) - 1億かぁ夢主ちゃん強いなぁー・・・続き楽しみです!頑張ってください!! (2015年11月10日 2時) (レス) id: cc8dfe9e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍月 | 作成日時:2015年8月29日 14時