もう一度、微笑んで【呪術廻戦】

虎杖side ページ32

高専の人達で食べにいくと、必ず先生たちは相川さんの話をする。
昔の同級生で、凄く綺麗な人だったらしい。


写真を見せてもらった時は、
想像以上に美形な人だったこと、

五条先生、夏油さん、家入さんが今と全然違うこと、

五条先生がその写真をずっと持ち歩いていることに驚かされた。


五条先生は、人混みの中にいると、誰かを探すようように歩く。
普段はあんなにおちゃらけているのに、相川さんの話をするときは、いつも泣きそうな顔、幸せそうな顔をする。


夏油さんは、相川さんの話をあまりしない。
苦戦している時、誰かが亡くなった時、目をつぶる癖があることに最近気がついた。
少したって、目を開けた夏油さんはいつもの様な優しい顔に戻る。

家入さんは12月20日。
どこを探しても高専にはいない。
次の日は、必ず目を腫らして帰ってくる。
心配して声をかけると、大丈夫だと応えてくれる。


ななみんは、五条先生が相川さんや灰原さんの話を始めると、堪えるように顔を顰める。
1度だけ、酔っているところを見た事がある。いつものように絡みに行こうとして、止めた。
静かに涙を流していたから。


どんな人だったんだろう。
相川さんに関わっていた人、誰に聞いても同じ答えが返ってくる。



太陽みたいな人だった。と



反対に
彼にまた会えるなら、何したい？
と聞くと、ひとつはみんな同じなのに、バラバラな答えが返ってくる。

｢そうだな〜。迷っちゃうね。
一緒に写真撮って、一緒に夜蛾学長に怒られた
い。かな。というか、あの頃に戻りたいな。
いや〜、懐かしいね。
まあ、Aが戻ってくるなら、なんでもいい
よ。あと、これは絶対やってもらう、


｢そんな事、考えたこと無かったな。
でも、直ぐに出てくるよ。
彼の肩でもう一度寝たいな。新しい一面も見た
い。豪快に笑う彼もみたいし、号泣する姿も見て
みたい。

強欲だけど、あともうひとつある。


｢酒と煙草、一緒にやるかな。
その時間だけは、2人きりでいられたから。
あと、海に行く。昔行った時は夏油に全部持って
かれたから。意外と出てくるもんだね。
あとはー


｢変な事聞いてきますね。
笑わないでくれるなら、答えますよ。あと、五条
さんにも言わないで下さい。
いい歳になって恥ずかしいですけど、頭を撫でて
もらいます。なんですか、その顔。
私だって、誰かに甘えることぐらいあります。
あとは





もう一度、微笑んでもらいたい。

あの優しい笑顔を、また。

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←伏黒side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す